人間尊重の医療サービス

優秀賞(SPRING賞)

人間尊重の医療サービス

医療法人財団献心会 川越胃腸病院(埼玉県)

「医療は究極のサービス業」という理念のもと、患者・地域社会・病院の信頼関係を築き、人の心に寄り沿う温かいサービス、疾患予防や保健活動、健康増進活動などを提供。徹底した従業員満足とホスピタリティ教育をベースに、患者満足度向上に向けたサービス改善に取り組む。

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  • 患者・地域社会・病院の信頼関係を築き、人の心に寄り沿う温かいサービスを提供
  • 「職員全員経営」との方針に基づく職員の自律意識、徹底した従業員満足とホスピタリティ教育をベースに、患者満足向上に向けたサービス改善に業界でいち早く取り組んだ、中小規模のモデル地域医療機関

人間性尊重の心温かい医療サービスを追求

川越胃腸病院は、1969年に設立された消化器科の単科専門病院である。設立時から、「医療は究極のサービス業でなくてはならない」という医療哲学のもと、地域医療の向 上に貢献してきた。高度な専門医療技術の提供はもとより、大規模病院が果たせない医療機能、すなわち人間性を尊重したきめ細かく、患者様のいのちと心に寄り沿う温かい医 療サービスを徹底的に追求することで、医療機関としての社会的責任を果たしていきたいと考えている。

ご家族がくつろげるスペースづくりも意識している

満足と感動のサービスは「人づくり」から

医療サービスとは、人が相手に対して行う愛と思いやりの利他的行為であり、相手に喜びや幸せを提供し、価値を生んで初めて完結するものである。つまり大切なのは提供側の情熱と人間性であり、サービスの質を向上させるためには職員の豊かな感性を育てていくことが重要である。そこで川越胃腸病院では、病院づくりの基本を「人づくり」におき、人を育てることで組織の一体感を醸成し、患者に満足と感動の仕事を提供できる病院づくりをめざしている。

ひと満足の好循環スパイラル

病院が提供する医療サービスは人の健康と発展、幸せに資するトータルサービスでなくてはならない。そのために同院では関わる全てのステークホルダーの幸せを追求する「ひと満足の好循環スパイラル」を20年以上前から確立して展開してきた。このスパイラルを恒常的に循環させるために、まずサービス活動を担う職員の育成・成長・幸せづくりを第1経営課題としてきた。その実践においては、病院とスタッフの価値観の共有、ベクトルの一致を重要視し、そこから生まれる信頼感と組織の一体感で満足と感動の仕事をめざしてきた。その成果が高い職員満足・患者様満足・社会評価につながり、健全経営に実を結んでいる。

人財の雇用と育成・評価

サービスは提供する人の感性力の総和と組織の一体化の質で決まる。大切なのは、採用の時点で組織と個人の価値観と目的の共有を確認し、個人目標よりも組織目標で動く人材、資格よりも人間性と協調性を重視して、双方が納得できるまで理事長自ら複数回の面接を繰り返し行っている。育成に関しても職員の自立を促進し、権限の委譲にも心を配ってきた。仕事の評価は努力と成果を丁寧にフィードバックするシステムを採用し、それを一時金や昇給にも反映させて、生きがいとやる気を促す弥冨式新職能給制度を運用。

医療サービス対応事務局の設置

病院に寄せられるさまざまな声に対応し、全職員の情報共有を図り、改善のために部門や委員会の組織横断的調整を行う機関として、1992年に「医療サービス対応事務局」 を設置した。その機能は、①患者と病院の間に立ち日々寄せられる声を一元管理する、②その声に対し関連する部門や各種委員会と連携して対応策を検討し、患者にフィードバックする、③サービス評価と結果を経営に反映させる、という3つの役割を担う(2004年に経済産業省より消費者志向優良企業のグループ表彰を受賞)。

取り組み

・同院開発の独自患者満足度調査と外部調査への参加
・BSC(バランス・スコア・カード)活用による職員経営参画意識の醸成
・第三者評価による医療・病院の質調査へのチャレンジ
・外部優良医療機関との研修交流

受診動機の90%が知人の推薦と紹介

新患者受診動機の90%が知人の推薦と紹介であり、“人に紹介したい病院”の模範となる。また生涯継続受診希望患者も90%を超える。

患者の会活動への支援

悪性疾患患者の不安解消をめざして、外来看護に担当看護師制を導入(プライマリーケア)。難治性疾患患者の継続看護体制も運用。患者の社会復帰支援のため患者の会を設立したり、同じ疾患を抱える患者同士の交流の場も提供。あすなろ健康教室の定期的開催や会報発行の支援も行う。

地域社会(ボランティア)との共創

医療サービス対応事務局の企画運営による健康教室やクリスマスコンサートは広く地域住民にも開放。医療啓発活動推進や子どもたちのキャリア教育のため、地元小学生のボランティア受け入れや院長・職員による小学6年生の出張授業も継続実施している。

業務委託先とのコミュニケーションで雇用安定

業務委託先企業との関係強化を図るため、派遣社員の①院内委員会活動への参加促進、②川越胃腸病院役員による半期ごとの面接、③院内行事への参加、④職員と同等の取り扱いなどを進め、業務委託先との信頼関係と一体化を図っている。その結果、定着率が他事業所に比較して明らかに高く、委託会社のモデル事業所の1つとなっている。

経営品質向上への貢献

川越胃腸病院の取り組みは病院経営改善事例として厚生労働省の病院経営人材育成支援教材に、また企業向け社員教育DVDにも多く取り上げられてきた。これにより、全国の企業・病院からの見学や研修・講演依頼に対応。医療界だけでなく、一般企業における経営品質向上にも貢献している。

組織データ

  • 事業者名

    医療法人財団献心会 川越胃腸病院

  • 本社所在地

    埼玉県川越市

  • 業種

    医療

  • 従業員数

    114人

  • 創立年月日

    1969年8月25日

  • URL

    http://www.kib.or.jp/

  • ※掲載されている情報は、2015年度応募時点のものです。

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