1日農業者体験サービス「青空フィットネスクラブ」

優秀賞(SPRING賞)

1日農業者体験サービス
「青空フィットネスクラブ」

おうみ冨士農業協同組合(滋賀県)

農業協同組合が提供する、お客様も“農業者”になれる地域ぐるみの新たな農村おもてなしサービス。地域に眠っていた人、畑、農産物、ノウハウ、コミュニティなどの資源を多角的に組み合わせることで、単なる収穫体験にとどまらない農業体験を提供する。

事例のPDFをダウンロード
  • お客様自身が農産物収穫を楽しみながら販売するサービスと、丸一日農業体験できるサービスにおいて、顧客や協働する農家などのアイデアを都度取り入れ、事業として発展させている
  • 食育や地産地消の取り組み、おうみ産農作物のブランド・認知度向上に寄与しており、遊休農地の活用、地域農家の活性化などの成果を出した

農業協同組合の農村おもてなしサービス

滋賀県の守山市農業協同組合、滋賀野洲町農業協同組合、中主町農業協同組合が合併して発足したおうみ冨士農業協同組合。営農指導や共済といった事業の他、県内最大規模を誇る農産物直売所「おうみんち」を運営する。
企業理念として、「『次代へつなぐ協同』に向けた農業づくり、地域づくり、組織づくりに取り組み、地域と共に歩む新たな協同組合」を掲げ、2010年度からお客様自身に畑で農産物収穫を楽しんでもらう「畑の直売所」を開始。2012年度には、「青空フィットネスクラブ」サービスを開始し、農業体験をはじめとした多様なサービスを提供している。

お客様を喜ばせたい気持ちから生まれた新事業

おうみ冨士農業協同組合が運営する「ファーマーズマーケットおうみんち」は、9時の開店前に長蛇の列ができ、特産品のメロン販売時期には徹夜組が出るほど盛況する農産物直売所である。しかし、人気のあまり、農産物が午前中で完売する状況が頻発。お客様からは「午後には何もない店」、農産物を納入する農業者からは「午後に出荷してもお客様が来ない」との声が聞かれるようになった。
そんな折、直売所の品物が売り切れた際にお客様を隣接する畑に案内したところ好評を得たため、事業化を進めた。

お客様自身に収穫してもらう「畑の直売所」

お客様自身に収穫してもらう「畑の直売所」

直売所に並ぶ農産物が少なくなる午後を中心に、お客様を近隣の圃場にご案内。S・M・Lの袋に価格をつけ、お客様自身に農産物の収穫を楽しんでもらいながら直接販売する。

農業者になれる「青空フィットネスクラブ」

 お客様に1日農業者になってもらうサービス。扱う野菜はじゃがいもやにんじんなどの基礎野菜に限定し、土作り・施肥・播種・除草・収穫など複合的な体験メニューを農家の指導のもとで農業者として活動し、楽しさと大変さも含めて体験する。圃場は周辺の遊休農地を活用し、指導者には近隣農家を招く。休憩時には食文化体験や地産地消弁当もセット。

青空フィットネスの参加数や活動時の歩数に応じてマイレージがたまる

大学と連携した実験圃場や、学生の声から生まれた「鍋ばたけ」などもある

継続参加への動機づけの工夫

農業体験時の歩数をマイレージとして会員証に記録する仕掛けや、農作業だけでなく染物体験や焼酎づくりなどのイベントも開催し、継続的な参加への動機づけを行っている。

顧客の意見や地域資源を活用したサービス改善

学生は鍋パーティーをよく開くという声から、鍋の具材を育てる「鍋ばたけ」プロジェクトを考案。また、特産の菜の花や近隣のバラ農家のバラを活用した染め物体験、工芸品づくり体験イベントを開催するなど、地域資源を活用した新たな体験メニューを開発・提供している。

PR活動で食育やCSR活動を促進

地域の学校、生協、量販店、観光関連企業や一般企業へ「つくる×食べる×つなげる」をテーマにした地産地消プロモーションを展開。食育やCSR活動、サービス業でのさらなる満足度向上を後押しした。

圃場管理部門を設置、交流事業受入へ

圃場管理部門を設置し、2014年度から交流事業の受け入れを開始。グリーンツーリズム、インバウンド、食育、教育、健康医療など、多様なチャンネルに対応可能となり、年間交流体験を20回程度まで拡充した。受け入れに際しては、事業実施時の安全や衛生管理を確保するため、受入農業者を含めたリスク管理研修を実施。サービス向上に努 めている。

農業体験した人の多くはファンとなり直売所のリピーターになる

農家・コミュニティの活性化や経営安定化

農業体験をしたい人々を受け入れることで、農家は指導者としてのやりがいを得ると共に、労働力確保の効果がある。また、本サービスにより直売所の認知度やブランド力が向上。サービス開始前に対し、5年で20倍の集客を達成。料理教室や染め物教室などのイベントの際は、地域の人に指導役を依頼しており、地域活性化の一助となっている。

遊休農地の再活用

農業体験用の圃場には地域の遊休農地を活用。2.5haの遊休農地を解消した。

異業種との連携による協働の広がり

大学との連携による食育活動、高校生のクラブ活動後の補食提供、医療現場との地産地消の取り組み、健康増進に対する観光の取り組みなど、農業体験にとどまらない活動を展開。食育や地産地消、地方創生などの視点を取り入れながら事業を発展させ、農村や農業の価値向上に寄与している。

組織データ

  • 事業者名

    おうみ冨士農業協同組合

  • 本社所在地

    滋賀県守山市

  • 業種

    農業

  • 従業員数

    286名

  • 創立年月日

    1997年2月1日

  • URL

    http://www.ohmin.jp

  • ※掲載されている情報は、2015年度応募時点のものです。

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を堅く禁じます

top
©サービス産業生産性協議会(SPRING)