「ハッピーケアメンテサービス」

優秀賞(SPRING賞)

「ハッピーケアメンテサービス」

株式会社ハッピー(京都府)

新品の風合いまで再現する高度な水洗い・シミ落とし・アイロン技術で、思い出の品を再生する衣服再生サービス。衣服1品ごとに管理された電子カルテによる徹底した情報管理、丁寧なカウンセリングと顧客対応、仕上がりの品質の高さで驚きと感動を提供する。

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  • 高度なメンテナンス技術で衣服の寿命を延ばし、好きな服を長く着続けられる価値を提供
  • 衣服1品ごとに管理された電子カルテによる徹底した情報管理、丁寧なカウンセリングと顧客対応、仕上がりの品質の高さで驚きと感動を提供する
  • 通常のクリーニングとは一線を画した新たなジャンルで、新市場を創出している

“着だおれ”京都のクリーニングの駆け込み寺

上質な無地の反物を買い、仕立て、着古すたびに徐々に濃い色に染め直して一着の着物を最後まで楽しむ。そんな京都特有の“着だおれ”の精神と伝統を現代に受け継いだ、衣服のケアメンテサービス®を提供する会社が株式会社ハッピーである。既存のクリーニングでは対応が難しい汚れや、特殊な生地を使った衣類を新品同様に蘇らせることから、“クリーニングの駆け込み寺” の異名を持つ。
京都府に本社を置くが、営業所を持たない無店舗型営業システムで運営。日本全国にサービスを提供している。

“きれいにする”のその先へ

過去に自治体などで実施されたクリーニングに関するアンケートによると、2人に1人の消費者が不満を持つ。「毎年クリーニングに出しているのに黄ばんでしまった」「生地を傷めるので受け付けられないと断られた」という、諦めに近い不満や困りごとがあるのだ。これは、水性の汚れを除去できないという、ドライクリーニングの限界によって起こる。
当サービスはそのような衣服にまつわる困りごとやクリーニングに対する不満を解消。“きれいにする”の先にある“お気に入りの服を長く楽しみたい”という真のニーズに応える。

独自の水系洗浄技術で汚れを落とす

ドライクリーニングは油性の汚れはよく落とすが、汗汚れのような水性の汚れは残ったままになり、シミや黄ばみの原因となっている。
そこで開発したのが油性・水性汚れを同時処理する独自の洗浄技術「アクアドライ®」。その処理方法は約1,000通りにも及ぶ。その他、縮みやテカリといったトラブルに対応する約20種類の再生技術「リプロン®」、撥水やUVカットなどの新たな機能性を持たせる加工技術「バリューON®」なども提供。水洗いで縮んだ繊維をミリ単位で復元するスタッフの高度なアイロン技術も合わせることで、既存技術では対応が難しかった汚れを落とし、衣服を新品同様に蘇らせる。

衣服を患者に見立てて管理する「電子カルテ」とIoT

トラブルを抱えた衣服(=患者)には、それぞれに適した処置が必要である。最初の診断工程で150科目3,000項目に及ぶチェック項目に沿って衣服1点ずつの情報を電子カルテに入力。さらに、顧客にカウンセリングを行い、要望やライフスタイルも伺い入力する。電子カルテ(IoTシステム)の登録情報は、その後の採寸、洗浄、仕上げ、検品、梱包・出荷、会計に至る全行程で社内共有し、顧客はWebで閲覧できる。

職人の暗黙知を形式知・動形態知に変換

電子カルテに蓄積された膨大なデータベースから最適な洗浄方法の「解」を導き出す「洗浄仕分けシステム」を開発。職人の経験値とも言える暗黙知を形式知に変え、全業務を可視化し、社員の実績を数値化した。さらに録画映像を活用した「検品教育システム」で動形態知に変換し、技能を定量・定性化。自身の弱点を克服し高度な技能を習熟できる。

ラポールCRMシステムによる顧客分析

利用回数、利用金額、性別、年齢などの固定的顧客情報だけでなく、話し言葉(会話)による感性的顧客情報を電子カルテシステムに蓄積。これらの顧客情報を使い、電子カルテシステム上の自然文形態素解析を用いた独自の検索システムによって、アプローチ対象顧客を抽出できる。これにより、顧客の心を掴む的確な訴求と会話が実現。顧客との信頼関係確立に役立っている。

平均単価は約6千円、客単価は約2万円と高価格(一般的なクリーニングの15~20倍)だが、新規顧客は絶えない

低迷するクリーニング業界に新市場を創出

クリーニング業界の市場規模は1992年の8,200億円をピークに、2014年には3,900億円まで縮小。低価格競争の激化で収益率が低下しサービス品質が悪化するという、負のスパイラルに陥っている。
そんな中現れた同サービスは単なるクリーニングとは一線を画し、衣服を新品同様に「再生産する」という新市場を開拓した。新たな付加価値を創出したうえ、サービスの対象である衣服は新品同様に戻るため、循環的に延々と利用してもらえる。

周辺産業の活性化

消費者にはメンテナンスへの不安から、上質で高価な衣服の購入を敬遠する傾向がある。しかし、きれいになるなら上質な衣服を購入したいという声もある。同サービスは高度なケアメンテ技術で高付加価値衣服の購入を喚起し、アパレル・繊維業界、デパート・小売販売業の活性化に貢献する。また、サービス提供に関わる運輸宅配業者、洗浄機械・仕上げ機械メーカー、IT・ICT 関係業界にも雇用を生む。

社員のモチベーションアップと女性の活躍

社員一人ひとりの生産性や品質をデータ化してフィードバックする仕組みと、スキルアップすると所得が増加する仕組みにより、社員のモチベーションが向上。パートから管理職に昇格する者も出た。また、23名の社員のうち18名が女性社員のため、ライフスタイルに合わせて働ける職場も提供している。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社ハッピー

  • 本社所在地

    京都府宇治市

  • 業種

    衣服再生産業

  • 従業員数

    23名

  • 創立年月日

    2002年1月21日(創業1979年)

  • URL

    http://www.kyoto-happy.co.jp

  • ※掲載されている情報は、2015年度応募時点のものです。

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