家づくりを物語に「工房信州の家」

地方創生大臣賞

家づくりを物語に「工房信州の家」

株式会社フォレストコーポレーション(長野県)

山に入り、自ら木を選び伐採し、壁の塗装や装飾品の制作など、顧客が家づくりに関与する体験や感動が、木や家への愛着を増幅させる「お客様参加型の家づくりサービス」。「家づくりは家族づくり」という理念のもと、人と家の絆を生み、住んでからも大切に家を育む家族の宝物となる。

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  • 前工程から完成、完成後のアフターケアまで、施主が直接家づくりに関わることで、家族の物語と感動を創出
  • 放置された森林の整備や、国産材木の活用促進に寄与
  • 地元の山守や製材店・加工職人たちの雇用を促進するなど、長野県の林業活性化にも寄与

壁塗りやステンドグラス作りなどお客様が家づくりに参加する「ひとてま工房」

家の価値と豊かな暮らしをつくる家づくり物語

設立は1960年。以来、「信州の住文化を創造する」ことを目的に、信州の風土と景観に調和する街づくり、家づくりを推進。お客様との共創により生まれる「家づくり物語」を軸に、家族の深い愛着を育む家づくりを理念とする。2012年には、お客様参加型の家づくりサービスをスタート。「自分の山の木で家づくり」「あなたが選ぶ山の木で家づくり」「ひとてま工房」の3つのサービスを提供している。参加型の家づくりで家族の思い出を紡ぎ、人と家との絆を生み出すことで、豊かな暮らしの創造に寄与している。

家づくりを通して精神的価値を向上

住宅の購入は夢に満ちた体験にも関わらず、器(既製品)を「買う」という概念が一般的で、新築時から年月を重ねるたびに価値が失われていく。古来、家は家族が「建てる」ものであり、家づくりを通し、精神的価値を高めるものであった。
サービス導入の目的は、日本の昔ながらの家づくりの良さを見つめ直し、精神的価値を取り戻すことにある。また、長野県は8割が森林で、エリアによっては多くの世帯が山を所有しているため、森や里山への関心を高め、森林の整備や林業の活性化にもつなげたいという思いも込められている。

お客様自ら木を選び・伐採を体験し家族総出の感動イベントとなる

タイプ別の参画型メニューで家づくりを体験

お客様参加型の家づくりサービスは以下の3つのメニューで構成されている。
①自分の山の木で家づくり
山を所有しているお客様には、自身の山の木を用いた家づくりを推奨。持ち山に価値を見いだせない山主が多い現代、先代が育てた木で家をつくることで、持ち山が家族の財産へ、家づくりが家族総出の感動のイベントへと生まれ変わる。
②あなたが選ぶ山の木で家づくり
山を所有しないお客様には、選木・伐採サービスを提供。
定期的に「選木ツアー」を開催し、地域の山でお客様自身が大黒柱になる立木を選び、その場で伐採まで体験する。さらに個性ある太鼓梁の中から我が家の背骨となる一本を選択。信州の恵みを受け、思い出深い家づくりが始まる。
③ひとてま工房
住宅の工事中にはお客様参加型のプログラムを用意し、家づくりにひとてまかける。家づくりに直接関わることで、思い出がつまった家が完成する。
・主な体験メニュー:「家族で楽しむ 珪藻土塗り体験」「オリジナルステンドグラス作り」「無垢の木でエアパス引き子作り」「灯りのデザインと吹きガラス体験」「手びねり陶芸体験」など。

伐採した木はストックヤードで天然乾燥

ストックヤードを自社で設立

県産材の安定供給を目的に、地元製材所2社と共同で、天然乾燥ストックヤードを開設。地域材流通の拠点を構えることで、持ち山の木を保管・乾燥・製材し、スムーズに現場に届ける体制を整備した。

山師との連携を図り、グループ化

長野県産材の流通ルートとなる「産地」「製材」「乾燥」「プレカット」「建設」までの工程をグループ化することで一括管理を実現。木材流通の川上である林業と、川下である建設会社が連携する協力体制を整えたことで、山での選木・伐採をお客様と共同で実施する企画が実現した。

自分で選木・伐採した木の家は家族の深い愛着を育む

家づくりが物語になり、住まいが宝物になる

選木や伐採など、家づくりのプロセスを通じて、「家づくり」「家族づくり」の精神的価値を実感できるサービスモデルを提供。住宅を「もの」として即物的に捉えるのではなく、購入者が建築の過程に参加することで、家づくりに物語を付加している。
参加型の家づくりを体験することで、家への思い入れが高まり、単純な品質の良し悪しだけでない価値を見いだすようになっていく。居住者が家への興味を持ち続け、快適な住空間を楽しみながら創造するポジティブな暮らしにつながっていく。

山守の仕事の価値を再発見

お客様自身が木を選び、チェーンソーで伐採作業に参加する選木・伐採体験を通して、木の命の尊さをリアルに実感。人・山・家をつなぐことで、お客様は家づくりの幸せを体感できる。また、エンドユーザーと共同で伐採する、という場面は、通常の林業ではありえないこと。伐採時にお客様が感動する姿を見て、山守は自らの仕事の価値を再発見する機会になっている。

地場産業を活性化

長野県を中心に年間100組、のべ800件を超える実績を通じ、県産材への意識を高め、安定需要を掘り起こした。県の基幹産業であるべき林業を再生することで雇用を創出。また、家づくりの体験メニューを通して、地元職人の技が見直されるきっかけにもなっている。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社フォレストコーポレーション

  • 本社所在地

    長野県伊那市

  • 業種

    建設

  • 従業員数

    99名

  • 創立年月日

    1960年5月

  • URL

    http://www.kobo-shinshu.com

  • ※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を堅く禁じます

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