海女小屋体験「はちまんかまど」

地方創生大臣賞

海女小屋体験「はちまんかまど」

有限会社兵吉屋(三重県)

伝統的な海女小屋で、海女が獲った新鮮な海産物や海女との語らいを楽しむなど、伊勢志摩の海女文化にふれあう体験ができるサービスを提供。施設の利便性の向上や海女たちのやりがいにつながる環境づくりにも力を入れ、三重県の活性化と海女文化の継承に寄与している。

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  • 伊勢志摩地方の「海女」ブランド活性化の火付け役として貢献
  • 海女と語り合いながら海産物を食し海女文化に触れる、非日常の感動体験を提供
  • 近隣に海女の関連市場が次々と創出され、地域活性化に寄与しており、三重県や伊勢志摩の地域経済を支えている

魚介を手焼きしながら海女文化を教えてくれる

海女文化の魅力を伝承

海女小屋「はちまんかまど」は、伝統的な海女小屋を開放し、海女とのコミュニケーションや地域の海産物を食す体験型のサービスを提供している。
海女は、自分が獲った海の幸を囲炉裏で手焼きしふるまいながら、旅行客に海女の思いや生活・歴史に触れてもらうことで、海女文化の魅力を世界に発信している。

地元に伝わる海女の踊りも披露

漁業と観光の融合による相乗効果

鳥羽市相差町は日本で最も海女が多い町。しかし、海女数の減少と高齢化、水産資源の減少などの課題に直面していた。そうした中、「海女さんとふれあいたい」という旅行客を海外から受け入れたことを機に、2004年、海女小屋体験を開始。日本で初めて海女小屋を開放し、現役の海女がもてなすサービス事業を開始した。今までになかった事業であったため、地域住民の理解を得るのに歳月を要したが、諦めることなく取り組みを続けてきた。漁業と観光を融合させることで、地域の活性化と海女文化の継承をめざしている。

海女がその日獲ってきた新鮮な魚介

海女が信仰する神社はパワースポットとして注目され、海女がつくるお守りも人気

地域に根差した伝統資産を開放

本来は漁から戻った海女が着替えて冷えた体を温める場所である海女小屋を一般客に開放。海女小屋での生活や仕事の現場を見せ、昔話などを通じて海女文化を紹介する。海女が命がけで獲ってきた新鮮な海の幸と、手作りの米や味噌、野菜などを味わうことができ、三重の食文化に触れられる。
当事業をモデルにした海女小屋事業を展開する他地域からの相談や、事業の立ち上げにも協力している。

地域の雇用を創出

海女が海に出られない日の副収入のための仕事として、御守り製作事業を展開。また、その地域になくてはならない商店や、体が不自由で働けない家庭などにも内職として展開することで、地域住民の生活を守ることにもつなげている。

ムスリム向けの礼拝堂や食事、Wifi環境なども整え海外からのお客様にも備える

観光客の利便性の向上

全館バリアフリー化、free-Wifi 整備、クレジットカード利用可、礼拝堂の整備など、国内外からの観光客に対応するためのインフラ整備も進めている。サービス拡大に伴い施設を拡大する際も、海女小屋の雰囲気を崩さないよう心がけている。

やりがいを持って働ける環境づくり

海女が一般消費者と接点を持ち、利用者に楽しんでもらうことの喜びを実感し、当事業に価値ややりがいを感じながらサービス提供に従事できる環境をつくっている。また、海女が漁に出られない時間を活用した新たな収入モデルにもつながっている。

情報共有と改善に向けた議論

毎日全員で反省会を開き、感想ノートへの利用者のコメントや各自の気づきを共有して、サービス向上についての議論を行っている。

伊勢志摩サミットのプレスツアーにて。
海外からも海女文化が注目されている

観光客の増加と地域活性化

2004年のサービス開始時に比べ現在は約20倍(14,600人/年)の利用があり、ピークと見られていた伊勢神宮の遷宮後も訪問者が増加している。今では各地域に海女小屋体験施設がオープンし、三重県が「海女と忍者」でブランディングするまでに発展。海外からの来訪者も増えており、三重県の外客誘致の柱となっている。こうした新産業の創出と共に地域への関心も高まり、U ターンやI ターンの増加による若い世代の移住促進も期待される。

海女文化の継承と価値向上

海女の数が激減する現在において、当サービスに関わる海女は、海女を辞めることなく生活を維持できている。
また、海女で当地域が活性化したことで、街中に海女に関連するお店が増え、街全体が活気づいた。地域の方々が海女文化の価値を再認識し、自分たちの地域や文化に誇りを持てるようになった。

組織データ

  • 事業者名

    有限会社兵吉屋

  • 本社所在地

    三重県鳥羽市

  • 業種

    飲食

  • 従業員数

    31名

  • 創立年月日

    2009年11月(創業1963年4月)

  • URL

    http://hyoukichiya.com/

  • ※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を堅く禁じます

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