優秀賞/審査員特別賞

保険の概念を超え、新たな価値を生み出す“住友生命「Vitality」”

住友生命保険相互会社(大阪府)

従来の生命保険にプラスして健康増進活動を促すプログラム。日々の運動や健康診断などの幅広い健康増進活動をポイント評価。獲得ポイントに応じて「保険料の変動」や「特典(リワード)」が付与され、健康増進活動を後押しする。リスクに備えるだけでなく「リスク自体を減らしていく」ための行動変容を促す革新的なサービス。

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  • 健康増進活動をポイント化し、それに応じて生命保険料が毎年変わるサービスは国内で類を見ない。従来「リスクに備える」ものであった保険を、「リスクを減らす」という健康増進に対する事前期待に応えるものへと価値提案をしている。行動変容を促す革新的な保険サービス。
  • 毎週、獲得ポイントに応じて様々な特典を提供する行動変容の基盤を形成。営業職員の直接サポートや会員同士が励まし合うコミュニティなどの取り組みを積み重ね、健康増進活動の継続を後押しする仕組みを構築。
  • リスクに備える保険を、リスクそのものを減らす保険に変革するサービスモデルを実現したことで、「健康増進」という価値を実現。社会課題である「健康寿命の延伸」への貢献が期待される。

社会公共の福祉に貢献する

1907年に創業。保険事業を通じて「社会公共の福祉に貢献する」ことを理念として掲げる。死亡保障、医療や介護の保障、老後生活への備えなどの保険の提供に加え、2018年に健康増進型保険“住友生命「 Vitality」”( バイタリティ)を発売。リスクに備えるだけでなく、顧客(保険加入者)の「健康増進」を応援し、リスクを減らすサポートに取り組む。

日本をもっと健康にする

高齢化が進む日本において、平均寿命と健康寿命(健康的に暮らせる期間)との差(約10年)を埋めることは保険業界に限らず社会全体の共通課題である。その解決策の1つが日々の健康増進活動である。Vitality健康プログラムは、南アフリカの金融サービス会社 Discovery Ltd.が開発したもので世界各国で展開されている。住友生命は「日本をもっと健康にする」を掲げ、日本人の生活習慣や健康増への取り組み実態に適した全面的なカスタマイズを実施のうえ、2018年7月より、“ 住友生命「Vitality」” として販売を開始した。

リスク自体を減らす「Vitality健康プログラム」

健康増進型保険“ 住友生命「Vitality」” は、従来の生命保険(死亡・医療・介護保障など)にプラスして、「日々の運動や健康診断などの取り組みを評価する仕組み」を通じて顧客の健康増進活動を後押しするVitality健康プログラムにセットで加入してもらうことで、リスクに備えるだけでなく、リスク自体を減らしていく、個人向けの新しい保険サービス。

行動変容を促す 3つのステップ

本サービスの強みは、行動経済学の考えなどに基づいた、多種多様な健康増進活動を後押しする仕組みを用意することで、会員の取り組みを長期にわたり後押しできる点にある。会員はVitalityアプリなどを通じて、「Step1.健康状態を把握する」「Step2.健康状態を改善する」「Step3.特典を楽しむ」という3つのステップによって、健康増進に取り組むモチベーションを高めていく。

行動経済学の知見を活かした「保険料の変動」の仕組み

獲得したポイントにより年間のステータスが判定され、翌年以降の保険料に反映される。初年度は割引率15%(健康プログラムを利用しない場合との比較)からスタートし、ステータスに応じて、毎年、その割引率が2%の範囲で増加したり減少したりする。毎年の保険料が変動するというのは、国内で販売されている生命保険としては例がないが、これが健康増進活動へ取り組むインセンティブとなっている。また、行動経済学での「損失を回避することを重視する」という知見を参考に、スタート時点で利得(健康プログラムとセット加入しなかった場合と比べ、初年度から割引率15%からスタート)を提供しておいて、取り組まないと保険料が上がる可能性があるという状況を作り出すことで「損をしたくない」というインセンティブを引き出す仕組みを盛り込んでいる。

行動変容を後押しする「特典(リワード)」

行動変容を後押しするインセンティブとして様々な「特典(リワード)」を用意。「健康長寿社会の実現」という理念に共感を得た21社のリワードパートナー企業(2023年2月末時点)と強固なパートナーシップを構築し、行動変容のきっかけになる魅力的な割引やサービス(ウェアラブルデバイスやスポーツウェア、フィットネスジム、ヘルシーフード割引など)を提供している。

「ちょっとしたご褒美」も用意

「特典(リワード)」の提供方法にも、行動経済学の考えに基づいた工夫を施している。例えば、1週間のサイクルで設定される運動ポイント目標を達成することで、各種ドリンクチケットなどの“ 小さなご褒美”が必ず貰える「アクティブチャレンジ」という短期プログラムを提供している。1年間という長期間では運動意欲が維持できないという懸念に対して、短期間の目標達成によって得られる特典を組み合わせることで、健康増進活動への取り組みを促すことを目的としている。

行動が変わり、1日あたりの歩数が増加

会員の歩数・健康診断結果に関する調査ならびにアンケート調査によれば、本サービスによって「行動変容が実現されている」「健康診断結果に改善がみられる」という結果が出ている。日々の歩数は加入時から約11%増加。また、健康状態の変化として、加入時の健康診断の各項目が高めとされていた方のうち、血圧値(収縮期血圧)が10mmHg以上下がった方は約52%にのぼり、「日本をもっと健康にする」という目標に向けて、その一歩を踏み出している。
Vitalityアプリなどを通じて健康増進活動をサポート
Vitality会員の変化

組織データ

  • 組織名

    住友生命保険相互会社

  • 創立年月日

    1907年

  • 業種

    生命保険

  • 本社所在地

    大阪府大阪市

  • 従業員数

    45,336名

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