受賞サービス
総務大臣賞
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“恵寿式”地域包括ヘルスケアサービス
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院(石川県)
統合電子カルテ(ICT)の導入により、診察・入院・投薬記録から、介護サービスの履歴や診察・検診の予約まで、患者一人ひとりの情報を一元管理。病院と介護施設が情報を共有することで、地域におけるヘルスケアサービスのワンストップ化を実現している。
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- 境目のない包括的なヘルスケア(医療・介護・福祉・保健)を統合電子カルテにより、ワンストップで提供する革新的なモデル
- サービスの改善や拡充に努め続け、患者の利便性を常に追求している
事業内容
恵寿総合病院
地域の総合的なヘルスケアを担う
石川県の能登半島で総合病院や介護老人福祉施設などを運営する「けいじゅヘルスケアシステム」の中心を担う、恵寿総合病院。「いつでも、誰でも、たやすく安心して診療を受けられる病院にする」という創業精神のもと、総合的なヘルスケアサービス(医療・介護・福祉・保健)の提供に向け、医療・介護の統合電子カルテを全国に先駆けて導入した。また患者や利用者の利便性を高め、グループ間の連携・連続したサービスを提供するための窓口として、「けいじゅサービスセンター」の整備に努めてきた。
サービスの背景と目的
“恵寿式”地域包括ヘルスケアサービスのイメージ
医療と介護の境目をなくす
能登半島は高齢化の進んだ地域であり、同院に救急搬送される患者の66%、入院患者の70%以上が65歳以上の高齢者である。そのため、病院が担う急性期医療が終わった後も、介護サービスを必要とする人が大半を占める。
一般に医療と介護は別制度であるため、退院後も介護が必要となる場合、新たに介護を受けられる施設やサービスを探さなければならず、患者や家族には大きな負担となっている。
そうした背景により、医療と介護をつなぐ境目のないサービスの実現が求められていた。
一般に医療と介護は別制度であるため、退院後も介護が必要となる場合、新たに介護を受けられる施設やサービスを探さなければならず、患者や家族には大きな負担となっている。
そうした背景により、医療と介護をつなぐ境目のないサービスの実現が求められていた。
サービスの特徴と独自性
けいじゅサービスセンター
ユーザーの利便性と安心を追求
「医療・介護・福祉・保健」のサービスを患者・利用者にワンストップで提供するサービスを考案。次の3つを重点に置く。
①ワンコール
コールセンターを主とするサービスカウンター「けいじゅサービスセンター」を開設し、患者や利用者向けの窓口を1拠点に集中。医療や介護にまたがる問い合わせや、グループが提供する全てのサービスの予約を“電話1本”で行える。
②ワンストップ
けいじゅサービスセンターでは自動音声予約やWeb受付などを用いず、ヒューマンインターフェイスを重視。患者や利用者の安心につなげる。
③ワンファクト
患者や利用者1人につき1つのIDで管理。「医療介護統合電子カルテ」により、グループ全ての施設(病院、診療所、介護施設、障がい者施設、健康増進施設など)で同じ情報が共有される仕組みを構築した。
①ワンコール
コールセンターを主とするサービスカウンター「けいじゅサービスセンター」を開設し、患者や利用者向けの窓口を1拠点に集中。医療や介護にまたがる問い合わせや、グループが提供する全てのサービスの予約を“電話1本”で行える。
②ワンストップ
けいじゅサービスセンターでは自動音声予約やWeb受付などを用いず、ヒューマンインターフェイスを重視。患者や利用者の安心につなげる。
③ワンファクト
患者や利用者1人につき1つのIDで管理。「医療介護統合電子カルテ」により、グループ全ての施設(病院、診療所、介護施設、障がい者施設、健康増進施設など)で同じ情報が共有される仕組みを構築した。
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
定期的な評価の実施
2000年よりサービス改善に向けた仕組みづくりをスタート。複数の会議体で実績報告し、数値を品質指標としている。また2001年から介護サービス利用者への電話による顧客満足度調査を実施(14年間で延べ4,000人以上に調査)。
地域の医療機関との連携を強化
地域連携を深め、紹介患者の情報収集や CT、MRIなどの高度医療機器共同利用の予約窓口を、けいじゅサービスセンターで一本化した。
また、次回の受診や検診が半年後、1年後など期間を置く場合、受診時期が近づいたタイミングで電話連絡をするサービスを2004年より実施。
また、次回の受診や検診が半年後、1年後など期間を置く場合、受診時期が近づいたタイミングで電話連絡をするサービスを2004年より実施。
代行やICT活用による効率化
介護職員がサービス利用者にゆとりを持って寄り添えるように、介護記録の代行入力を2011年より開始した。
グループ全体で仮想デスクトップ環境を導入し、スタッフが使い慣れた IT環境で電子カルテの運用・管理を行えるようにした。
グループ全体で仮想デスクトップ環境を導入し、スタッフが使い慣れた IT環境で電子カルテの運用・管理を行えるようにした。
得られた成果や与えた社会的影響
改善による利用率の上昇
サービス開始当初の2000年は、サービスセンター利用率が27%だったが、その後改善を重ねていく中で、徐々に認知され、2014年には74%にまで上昇した。
2013年からはワンストップで複数の診療科へ予約できるサービスも開始し、診察予約率は90%を超えるようになった。施設の駐車場、待合室の混雑緩和にもつながった。
また、介護記録の代行入力導入により、介護職員1人当たりの実質介護サービス時間が以前の3倍に増加した。
2013年からはワンストップで複数の診療科へ予約できるサービスも開始し、診察予約率は90%を超えるようになった。施設の駐車場、待合室の混雑緩和にもつながった。
また、介護記録の代行入力導入により、介護職員1人当たりの実質介護サービス時間が以前の3倍に増加した。
雇用の創出と女性の活躍の推進
グループで毎年50人以上の新入職員を受け入れており、地域最大の雇用機会の創出につながっている。また、現在120人以上が60歳以上のシニアスタッフである。
女性職員の数は、全職員の75%を占める。ワークライフバランスを大切にした柔軟な働き方を提供し、産休・育休からの復帰率はほぼ100%。女性の長期雇用と活躍に貢献している。
女性職員の数は、全職員の75%を占める。ワークライフバランスを大切にした柔軟な働き方を提供し、産休・育休からの復帰率はほぼ100%。女性の長期雇用と活躍に貢献している。
地域課題の解決
介護サービスの利用者がケアマネジャーと相談しながら注文した介護用品の配達依頼、外来診察時の介助者付きの送迎車「楽のり君」の予約なども、ワンコール・ワンストップで対応。高齢者の多い地域住民の日常生活をきめ細かくサポートしている。
サービスモデルの展開
全国に先駆けて整備してきたサービスモデルと運用ノウハウは、国内外の医療・介護従事者や行政関係者などから注目され、方々からの見学・視察を受け入れている。2013年11月以降で51回に上る。
組織データ
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事業者名
社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院
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本社所在地
石川県七尾市
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業種
医療/介護
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従業員数
1,315名(法人全体)
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創立年月日
1934年9月11日
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URL
※掲載されている情報は、2015年度応募時点のものです。
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