受賞サービス
地方創生大臣賞
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食べ物つき情報誌「食べる通信」
一般社団法人 日本食べる通信リーグ
/特定非営利活動法人 東北開墾(岩手県)生産者の想いが詰まった情報誌と食べ物のセットである「食べる通信」を介して、地域の生産者と都市の消費者をつなぎ、そこから交流コミュニティを創造。リーグ形式で全国各地に活動が広がっており、新たな地域づくりの一助となっている。
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- 情報誌と生産物を届けるだけでなく、その先の「つながる」を重視し、読者の大半が暮らす都市と地域、消費者と生産者を結びつけた
- 読者が生産地を訪れる、作業を手伝うなど地域に関わるようになり、地域活性化に貢献
- 賛同者が増え続け、東北を起点に全国30カ所以上の「食べる通信」を展開
事業内容
食べ物つき情報誌を介したコミュニティサービス
2013年7月にNPO法人東北開墾が創業し「東北食べる通信」を創刊。史上初の食べ物つき情報誌であり、情報とコミュニケーションで生産者と消費者をつなぐコミュニティサービスとして注目を集める。
その後、全国の団体・個人から届いた創刊希望の声に応え、2014年4月には日本食べる通信リーグを創設。全国各地で31の、それぞれに独自の特色を持った「食べる通信」が発行されている。読者数は合わせて8,000名ほど。
その後、全国の団体・個人から届いた創刊希望の声に応え、2014年4月には日本食べる通信リーグを創設。全国各地で31の、それぞれに独自の特色を持った「食べる通信」が発行されている。読者数は合わせて8,000名ほど。
サービスの背景と目的
生きた情報・感動を伝えるため生産者の目線で取材を行う
生産者と消費者、双方の課題を解決する
2011年に起こった東日本大震災をきっかけに、地域の生産者と都市に暮らす消費者をつなげ、地域と都市が連帯できる社会をつくりたいという想いの実現に向け、生活に欠かせない食を媒介にした「食べる通信」が生まれた。
消費者は生産の裏側やつくり手の情報を欲している。一方で生産者は価格の決定権がない、農・漁業に対するイメージが悪いといった不満を抱えている。両者をつなげることで互いの満足度を高め、生産者には安定した収入を得てもらう狙いがある。
消費者は生産の裏側やつくり手の情報を欲している。一方で生産者は価格の決定権がない、農・漁業に対するイメージが悪いといった不満を抱えている。両者をつなげることで互いの満足度を高め、生産者には安定した収入を得てもらう狙いがある。
サービスの特徴と独自性
「食べる通信」の誌面例
史上初の食べ物つき情報誌
食べ物の裏側の情報や、生産者の生き様までも紹介する情報誌と、生産物をセットで定期購読者に配送。食材を「アタマと舌で」味わう体験を読者に提供している。
読者は、届いた食材と情報誌を楽しみながらSNSで生産者や他の読者と交流し、感謝の気持ちや感動をシェアする。さらに、生産者や他の読者と直に交流できるイベントや現地ツアーを通じて絆を深めることで、より長期的な関係へと発展、生産者のファンを育むことができるシステムとしている。
読者は、届いた食材と情報誌を楽しみながらSNSで生産者や他の読者と交流し、感謝の気持ちや感動をシェアする。さらに、生産者や他の読者と直に交流できるイベントや現地ツアーを通じて絆を深めることで、より長期的な関係へと発展、生産者のファンを育むことができるシステムとしている。
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
全国の編集長が集まり白熱した議論を交わすリーグ会議
実際の生産現場の手伝いをする読者が増えている
「食べる通信リーグ」を創設
日本食べる通信リーグは、「食べる通信」の理念に共感した人々・団体をつなぎ、創刊と運営をサポート。ブランド、ノウハウは共有するが、地域ごとの独自性を活かすことを推奨している。同リーグの加盟団体はNPO、企業、地方自治体、生産組合と多様で、事業者の枠を越え課題や事例を共有し、互いに切磋琢磨していける環境を構築している。
サービス水準維持のための施策
各誌の共通部分はシステム化、ロジスティクスや顧客対応についてはマニュアル化し、一定のサービス提供を可能にしている。
また生産者と読者、事務局のコミュニケーションの質を担保するため、「東北食べる通信」は購読者が1,500名に達した時点で新規入会を停止。小規模生産者でも発送可能な規模を維持している。
また生産者と読者、事務局のコミュニケーションの質を担保するため、「東北食べる通信」は購読者が1,500名に達した時点で新規入会を停止。小規模生産者でも発送可能な規模を維持している。
コミュニティマネージャーの制定
「東北食べる通信」では情報発信や SNSの運営、イベント開催といった会員コミュニティの運営が生産者の負担とならないよう、生産者の右腕となる「コミュニティマネージャー」を読者から登用。生産者と読者のパイプ役としてコミュニティ運営を委託している。
車座座談会の開催
幅広い人材の参画を企図し、「食べる通信」に興味を持つさまざまな立場の人々が語り合う場を用意。全員が協業者であるという意識を熟成させ、事業の活性化も図っている。
得られた成果や与えた社会的影響
全国から創刊希望の声が届く
発行開始から2年間で総読者数は8,000名に達し、全国31カ所で「食べる通信」を展開中。当サービスを通して取引量を増加させた生産者もいるなど具体的な効果も出てきている。今では100を超える団体から創刊希望の声が寄せられており、2017年までに100の地域での創刊をめざす。
地方への関心獲得、コミュニティ活動の創出
「食べる通信」の読者の6割以上は都市部に在住している。生産者と読者がつながることで、一次生産者の収益改善や、地方への関心の高まりを生み出している。
「食べる通信」を起点とした地域おこし
「食べる通信」は、生産者自身や地域課題解決にのぞむ団体・個人の受け皿となっている。全国の加盟団体で計100名以上のスタッフが活動しているが、ボランティアやプロボノなど多様な参画形態が存在。都会で仕事を続けながら「食べる通信」に携わり、地域にコミットすることを可能としている。
組織データ
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事業者名
一般社団法人 日本食べる通信リーグ/特定非営利活動法人 東北開墾
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本社所在地
岩手県花巻市
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業種
情報サービス
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従業員数
5名
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創立年月日
2014年4月15日
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URL
※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。
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