社会貢献型移動スーパー「とくし丸」

農林水産大臣賞

社会貢献型移動スーパー「とくし丸」

株式会社とくし丸(徳島県)

「買い物難民」「買い物弱者」をサポートする社会貢献型移動スーパー。生活全般に関わる相談や要望にも柔軟に応え、高齢者の見守りとしても機能するなど、単なる移動スーパー以上の頼れる存在として、利用者から信頼を得ている。

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  • 販売パートナー、地元スーパー、本部(とくし丸)の三者で展開する、移動スーパーの新しいビジネスモデル
  • 高齢者の「コンシェルジュ」や「見守り」としても機能し、社会貢献性が高い
  • 既存の小規模商店との競合を避けるルールを設けるなど地域との共存を実現

命を守る・食を守る・職を創る、3つの企業理念を乗せて走る

社会貢献型移動スーパーの展開

生鮮食料品や惣菜・日用品など、約400品目の商品を軽トラックで販売する移動型スーパー「とくし丸」を展開。個人事業主である販売パートナー(販売員)と、とくし丸本社が連携し、スーパーからの委託を受けて商品を販売することで、利用者、地域スーパー、販売パートナー、とくし丸本部の「四方良し」のビジネスをめざしている。
「命を守る(買い物難民の支援、見守り協力)」 「食を守る(地域スーパーとしての役割)」「職を創る(社会貢献型の仕事の創出)」の3つを理念に掲げる。

「スーパーと同じように買い物がしたい」に応える

地域のスーパーや食料品店の撤退、公共交通の貧困化、高齢者世帯の増加を背景に、食料品などの購入が困難な人たちが地方を中心に急速に増加している。
とくし丸では、そうした「買い物難民」「買い物弱者」、中でも70代以上の高齢者からの、「スーパーと同じように、見て、選んで買い物がしたい」「もっと生鮮食品が食べたい」「頻繁に顔を合わせ、気軽に話がしたい」といったニーズに応えるための「移動スーパー」を開始した。

週2回の巡回訪問は高齢者の見守り役の機能も担う

販売者と利用客は顔なじみ。気軽に話しながら要望を聞く

商品の販売から見守り役まで

「買い物難民」「買い物弱者」に単に対面販売で商品を届けるだけでなく、高齢者の生活全般にかかるさまざまな要望に対し相談にのることで、販売パートナーがコンシェルジュ的な、日常生活の頼れる存在となっている。また、週2回、契約者宅の軒先や近所まで出向き、顔を合わせる巡回訪問型の販売方法は、地域高齢者の見守り役としての機能も担っている。

利用者の個別ニーズに応える

全てのお客様に対面で販売することで、お客様をよく知り、関係性を深めている。個別ニーズに応えるため、品揃えは移動スーパー(トラック)ごとに異なる。食料品だけでなく生活必需品や雑貨などにも対応。

徳島県から全国へと事業を拡大

日本国内で29都道府県140台以上が稼働(2016年5月時点)。徳島県内では人口比で約70%のエリアをカバーし、全国へと事業を拡大している。また、売上面でも、3年間 で10倍近くに伸長している。

顧客が1商品10円を負担

とくし丸本部、スーパー、販売パートナーの三者に加え、顧客を第4の協力者と位置づけ、1商品につき10円を負担する形で事業継続の一端を担ってもらい、地域と一体となって成長する事業モデルを実現。
また、ハンディターミナル(POS)システムや売上報告システムなどITシステムを活用。とくし丸本部と販売パートナーを結び、利便性の向上のための情報共有を活発に行っている。

地場商店を守るルール

既存の小規模商店との競合を避け、新たな「買い物難民」を生み出さないためにも、個人商店の周囲300メートル(徒歩圏内)には顧客開拓に入らないというルールを設置。

商品提供のみに捉われない対応

商品販売にとどまらず、電球交換やはがき投函などちょっとした用事に対応したり、メガネ商社と提携し、メガネの販売・修理につなげるなどの新たな取り組みも行っている。

命を守る・食を守る・職を創る

基本的に個人が車両を購入し、スーパーからの委託を受けて商品を販売する「個人事業」のとくし丸は、小さな資本で手厚いサポートを受けることができる開業システムとして、個人事業者を後押ししている(職を創る)。
また、とくし丸は、徳島県内で約3,000人、全国で約20,000人の買い物弱者をサポートしている(命を守る)が、同時に地域スーパーの委託販売の形態をとるため、食品の安定的な供給を行いながら、スーパーの売上にも貢献している(食を守る)。とくし丸を通じてスーパーの売上が安定すれば、スーパー自体の存続可能性が高まり、ひいては「買い物難民」の増加を抑制することにつながる。

地域コミュニティの復活

とくし丸が来ると周囲の住人が集まり、会話やコミュニケーションが生まれ、地域のつながりの復活につながっている。
地域や社会の活性化に貢献しながら、利用者との信頼関係を結ぶ事業であることから、将来の事業範囲の拡張や、高齢者の見守りを超える機能の多様化も期待される。

従来の移動販売にない事業モデル

1商品 +10円の価格設定で事業運営を支える仕組みや、地域とうまく共存するための300メートルルールなど、従来の移動販売にはない画期的な事業モデルとして、流通業界に大きな影響を与えた。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社とくし丸

  • 本社所在地

    徳島県徳島市

  • 業種

    小売

  • 従業員数

    3名

  • 創立年月日

    2012年1月11日

  • URL

    http://www.tokushimaru.jp/

  • ※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

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