受賞サービス
経済産業大臣賞
-
子どもたちに食文化を伝える
「考食師」による給食サービス株式会社ミールケア(長野県)
“正しい子どもの舌を創る” 給食作りに加え、“給食の先生”として子どもたちに日本食文化や礼節・歴史を伝える食育の伝導師「考食師」による幼稚園・保育園向け給食サービス。子どもたちの食育や保護者の安心を支えている。
事例のPDFをダウンロード
- 食や健康に関心の高い保護者層の期待を捉え、和食の伝統と文化を伝える「考食教育」を取り入れることで、給食の価値を高め、園の保育サービス自体の価値向上にも寄与
- 全国250カ所の幼稚園・保育園に拡大し、新規受託契約件数が毎年120% 以上で増加
事業内容
農作業体験を通じた食育活動
給食サービスを軸に幅広い食育事業を展開
長野市に本社を持ち、幼稚園・保育園などの給食受託事業を全国に展開。単なる給食サービスの枠を超えた食育の視点から、「日本の美しい食文化を未来に伝える」ことを使
命として、子どもたちに和食の伝統や文化を伝えている。
また、長野市北部にある耕作放棄地を子どもたちの農業体験の場として再活用した農園事業「み~るんヴィレッジ」をはじめ、地産地消を取り入れた家庭料理のビュッフェレストラン「みーるマ~マ」の運営、「みーる劇団」による食育劇の公演など、さまざまな食育活動にも取り組んでいる。
また、長野市北部にある耕作放棄地を子どもたちの農業体験の場として再活用した農園事業「み~るんヴィレッジ」をはじめ、地産地消を取り入れた家庭料理のビュッフェレストラン「みーるマ~マ」の運営、「みーる劇団」による食育劇の公演など、さまざまな食育活動にも取り組んでいる。
サービスの背景と目的
愛情のこもった温かい給食を
仕出しが中心だった幼稚園・保育園の給食で、温かく愛情のこもった手づくりの食事を提供したいと考えたのが本サービスの始まり。愛情ある給食を提供するためには、食のプロが和食の伝統と文化を正しく伝える必要があるという考え方のもと、「食育の伝道師」という独自の社内認定資格である「考食師」を創設。
この「考食師」を軸にしながら、子どもたちはもちろんのこと、保護者や園の先生、ひいては地域住民にまでさまざまな形で食育の場を提供している。
この「考食師」を軸にしながら、子どもたちはもちろんのこと、保護者や園の先生、ひいては地域住民にまでさまざまな形で食育の場を提供している。
サービスの特徴と独自性
体験型の食育活動(味噌づくり体験)
二十四節気に基づいた給食など食文化や礼節・歴史を子どもたちに伝える
“食のプロ”として正しい食を子どもたちに伝える
成長期に合わせた食育計画により、箸の使い方から、食べ方(一汁三菜)、食べ物のありがたさなどを伝えている。農場での収穫体験(畑のない園では、作物を茎ごと持ち込む)、
調理実習など体験型の食育を多く取り入れ、生産者への感謝の心や、食べ物を大切にする心を育む場を提供している。
日本の食文化を取り入れたメニュー
旬の食材を二十四節気や歳時記に結びつけることで季節の変化に気づく感受性を育む「季節の移ろい」、旨味や風味で正しい味覚を育む「日本の知恵」、その季節にしか食べ
られない旬を育む「食とのかかわり」などの知恵が詰まったメニューとなっている。
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
視覚に訴える食育劇「みーる劇団」
視覚から訴える食育
考食師や社員による「みーる劇団」を結成し、食育劇による視覚に訴える食育を展開。子どもたちは環境を大切にする心、好き嫌いをしないこと、病気に負けない体づくりをそこから学ぶ。食育劇を題材にした絵本の配布や朗読会の開催、独自に制作した「野菜体操」などにより、子どもが興味をもって食育に参加する風土をつくっている。
食を伝える営みの場「み~るんヴィレッジ」
食文化を伝える育みの場として、約1万坪の耕作放棄地を活用した「み~るんヴィレッジ」を整備。子どもたちが資源循環型の畑をつくり、いきもののにぎわいと、安心安全な食べ物を育てる農園活動「いきものみっけファーム」を展開。年5回のイベントは、毎回200人以上の家族が参加している。
「考食師」を育てるための教育カリキュラム
社内認定資格の「考食師」は、調理スキルに加え、食文化に関する知識を持ち、分かりやすく伝えることができる考食のプロ。各種プログラムを受講し、認定試験に合格した人に与えられる。現在では90人の考食師が社内外で活躍する。
「考食師」を全国に広げる活動
より多くの子どもたちや、保護者、先生に「考食師」の考えを伝えることにより、子どもたちの生きる力を引き出す活動を全国に広げる取り組みを行っている。
得られた成果や与えた社会的影響
子どもたちと農園活動を行う「み〜るんヴィレッジ」
「考食」が園の保育サービスの価値を高める
食や健康に関心の高い保護者の期待に応えることで、園の保育サービスの価値が高まり、サービス提供先の幼稚園・保育園では入園受付者数が軒並み増加。前年比110%
以上となった園もあるなど、目立った効果が表れている。
また、新規受託契約件数も毎年、前年比120%以上で増えており、現在では全国250カ所にまで拡大している。
また、新規受託契約件数も毎年、前年比120%以上で増えており、現在では全国250カ所にまで拡大している。
評判は最高の紹介状
サービス提供先の幼稚園・保育園から、他園に対して同社の事業を紹介していただくという事例が各地で増加。顧客と信頼関係のある良好な関係を保つことによって、営業活動をしなくても新規受注と増収増益につながっている。
「み~るんヴィレッジ」を通じた地域創生
み~るんヴィレッジで育てた大豆は、地元の保育園や幼稚園に提供し、味噌づくりの食育に使用。地域住民と一緒に地元の特産物を生産・加工することで地域の活性と雇用が生まれ、社会貢献活動の場にもなっている。
組織データ
-
事業者名
株式会社ミールケア
-
本社所在地
長野県長野市
-
業種
受託給食
-
従業員数
930名
-
創立年月日
1990年12月12日
-
URL
※掲載されている情報は、2015年度応募時点のものです。
※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます