働く人を応援する置き菓子サービス「オフィスグリコ」

優秀賞(SPRING賞)

働く人を応援する置き菓子サービス
「オフィスグリコ」

江崎グリコ株式会社(大阪府)

オフィスにボックスや冷蔵庫を無償貸与し、菓子・アイスなどを配置する「置き菓子®」サービス。オフィスに新たなリフレッシュメントを提供すると同時に、菓子に接点の少ない男性客の需要を掘り起こし、「置き」型の新たなビジネスモデルを創出した。

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  • 信頼されるサービススタッフの訪問で、高い代金回収率を維持。その顧客接点にて利用者の期待を掴み、他社の菓子も扱うなど顧客ニーズに柔軟に対応することで市場が広がる
  • 約500名の女性サービススタッフが在籍し、サービススタッフが使いやすいワゴンや注文端末の改善など就業環境を整え、高い定着率と雇用の創出に貢献

「置き菓子®」でリフレッシュを提供

おいしさや楽しさ、身心の健康につながる製品を世に送り出しているグリコ。「食品を通じて、人々の健康に役立ちたい」という創業者の思いから、菓子のみにとどまらず、乳製品、調味料など、事業領域を広げている。そのひとつが、「置き菓子®」サービス「オフィスグリコ」である。
2016年6月、オフィスグリコ事業など、顧客に直接接する機会の多い事業を強化するために分社化。「グリコチャネルクリエイト」として発足した。

顧客接点の多様化

「お菓子メーカーとして、お客様との接点をもっと生み出したい」との思いから、消費者接点を多様化するためのプロジェクトを1997年に開始。マーケティング調査によると、菓子を食べるシーンでは家庭(70%)の次にオフィス(20%)が多いと分かった。「働く」と「菓子を食べる」という2つのシーンをつなぐ新市場に可能性を見出し、当サービスを開始した。
自社のサービススタッフがお客様のオフィスに伺うためコストがかさむが、効率化の取り組みを進めて収益改善を行い、2013年度に黒字化した。

定期訪問による「置き」型ビジネス

オフィスで働く人々がボックスから商品を取り出し、代金を備付貯金箱に投入する仕組み。サービススタッフが定期訪問し、代金回収や商品補充入れ替えなどを実施する。オフィスの新たな「リフレッシュメント」と、災害時備蓄の安心感を提供すると同時に、「オフィスに菓子を配置」するという、働く大人がちょっとしたわくわく感を体験できるサービスである。
また「グリコ以外のお菓子も食べたい」というニーズに応え、50%程度が他社製品で構成されている。お菓子の他にもアイスや飲料、カップ麺など幅広い商品を取り揃えている。

ワゴンとリフレッシュボックスの段数を揃え補充を効率化

オフィスになじむ「リフレッシュボックス」

B5用紙程度のスペースに設置可能なコンパクトサイズで、文具箱のような地味な外見であるため、違和感なく就業スペースに置くことができる。側面には「リクエストカード」を常備しており、要望のあった商品は次回訪問時に補充している。

定期訪問で顧客の期待を把握

価値ある顧客接点として毎週の訪問を基本に、顧客の期待を把握する機会を創出した。単に代金回収や商品の入れ替え作業を行うだけでなく、オフィスとのコミュニケーションをとることを重視。発売前の商品の試食を実施するなど、特別感を味わってもらう工夫も行っている。
また、ボックスを3段にし、1回の訪問で1段ずつ入れ替えて3回の訪問で全ての商品が入れ替わるオリジナルの補充システムを採用し、賞味期限を管理しながら廃棄ロスを抑えている。

スタッフを支えるツールやシステムの開発

手押しワゴンは狭い廊下やエレベーターでも操作しやすく、雨カバーやクーラーボックスが装備されている。
スタッフが使用する携帯端末には、訪問先ごとの補充内容が入力でき、作業漏れがないかどうかがひと目で分かる。

お客様に信頼される人材の育成

最低限のマニュアルと、価値向上のためのノウハウの伝承の組み合わせで人材を育成。社内表彰制度として、キャンペーンで活躍したスタッフを表彰している。

設置数の増加と信頼度の向上

オフィスグリコの設置数は2014年で12万件以上と、2002年対比で20倍以上に伸長した。サービス利用者の今後の利用意向は87%と、高い満足度を獲得している。
また、サービススタッフが職場で信頼を得ていることが、95% という代金回収率の高さにつながっている。

女性雇用の創出

550名のサービススタッフが在籍し、90%以上が女性で構成されている。オフィスを対象としたサービスであるため、土日祝日、お盆や年末年始などが休みになり、子どものいる主婦も勤務しやすい環境。平均5年以上は就業を続けている。

災害時の備蓄として好評

東日本大震災以降、オフィスで被災して帰宅困難となった従業員のために、会社として備蓄品を準備する必要性が出てきている。オフィスグリコのサービスは商品が常に補充されており、また日常生活で利用しながら災害時の備蓄品としても活用できるため、多くの企業で導入されている。

菓子市場の活性化

オフィスでの置き菓子という新規需要を喚起し、新たなサービスモデルをつくり上げた。自社や他メーカーがオフィスグリコ向けの専用商品を開発するだけでなく、野菜やコスメなどを扱う「置き」型の類似サービスが生み出されるほどになった。
また、お菓子と関わる機会の少なかった男性たちに、「リフレッシュボックス」を提供することで、お菓子の魅力を知ってもらう。彼らが一般店でも購入するようになり、菓子市場の活性化に貢献している。

組織データ

  • 事業者名

    江崎グリコ株式会社

  • 本社所在地

    大阪府大阪市

  • 業種

    製造

  • 従業員数

    10,046名

  • 創立年月日

    1922年2月11日

  • URL

    http://www.glico.co.jp

  • ※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

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