受賞サービス
優秀賞(SPRING賞)
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女性の体と心のサポートサービス
「カラダのキモチ」ドコモ・ヘルスケア株式会社(東京都)
「カラダのキモチ」は、女性の月経周期をもとにした毎日のアドバイスから、万一の際の婦人科受診までもカバーするモバイルヘルスケアサービス。受診時のお見舞金支給などで他の類似サービスとの差別化を果たし、利用者数の増加を実現。女性の健康促進に寄与している。
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- 全国で60万人が利用する、女性のためのモバイルヘルスケアサービス
- 毎日の健康管理、生活アドバイス、婦人科疾病の兆候の通知、通院時のお見舞金制度などで女性の生活・健康管理を支える
- より社会進出が進む女性の健康促進により、働く女性の活躍に寄与
事業内容
モバイルで利用する健康支援サービス
ドコモ・ヘルスケアは、NTTドコモとオムロンヘルスケアが出資し2012年に設立された。企業ビジョンとしてITで「からだと社会をつなぐ。」ことを掲げ、モバイルを活用したヘルスケアサービスの提供を主事業とする。
社会の高齢化に伴う医療費・社会保障費の増大が問題化する中で、病気になりにくい心身の健康増進を図るための予防医学の普及・発展に注力。NTTドコモとオムロンヘルスケア両社の強みを活かす新しい健康支援サービスを創出している。
社会の高齢化に伴う医療費・社会保障費の増大が問題化する中で、病気になりにくい心身の健康増進を図るための予防医学の普及・発展に注力。NTTドコモとオムロンヘルスケア両社の強みを活かす新しい健康支援サービスを創出している。
サービスの背景と目的
「カラダのキモチ」の使用画面例
心身のさまざまな情報を、すべての女性に
女性の約9割がPMS(月経前症候群)に悩むといわれるように、体調管理および健康に関する情報提供サービスへの需要は多い。ただしこれまでの月経リズム管理サービスは若年層向けの、避妊を目的としたものが多かった。「カラダのキモチ」は、月経日の予測といった顕在的ニーズの解決にとどまらず、心身の不調に関する潜在的なニーズに応える価値の提供をめざし開発が進められた。ためらわれがちな婦人科受診を促すことで、ユーザーの疾病の予防・早期発見の実現も重要課題とした。
サービスの特徴と独自性
毎日、手軽に健康情報の入手が可能
スマートフォン/タブレット端末で利用できるアプリを開発し、さらにオムロンの婦人体温計と連動させることで、毎朝の測定結果入力の手間を省略。ユーザーはごく手軽に月経日予測が可能であるのに加え、月経周期に合わせた健康にまつわる情報を毎日入手できる。
婦人科受診を促すお見舞金制度
基礎体温データ管理や、乳がんセルフチェック機能も搭載。婦人科疾病の兆候が検知されると受診勧奨がなされ、ユーザーは受診するとお見舞金を受け取ることができる。
健康的で多様なライフスタイルを提案
健康情報の提供にとどまらず、ライフスタイルの提案も実施。7つのジャンル(食、ダイエット、ビューティー、カラダの知識、カラダケア、ココロケア、ライフスタイル)において、専門家が監修する医学的な見地からも確かな機能的情報に加え、癒しや愛情といった情緒的情報も提供することで女性の生活を多角的にサポート。また、クッキングスタジオやヨガサロンとの提携により具体的なプログラムの情報提供も行っている。
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
不調時以外も利用を続けたくなる仕組み
独自のアルゴリズムの活用による高い精度での月経周期の予測や、継続利用によるドコモポイントの付与キャンペーンなどにより、サービス利用の習慣化を実現している。
デザインの工夫で、通勤時の利用を促す
メインユーザー層である30~40代女性の嗜好に合わせた、月経リズム管理アプリには見えないデザインを用いることで、通勤時の車内で閲覧しやすくした。日常的・継続的な利用を容易にすることで、ユーザー数増加につなげている。
多くの声を集め、サービス改善を常時実施
アンケートで集めたユーザーの声や解約者の声、ドコモショップやコールセンターのスタッフからの改善意見も活用。常にサービス改善を実行するためのPDCAを回している。
得られた成果や与えた社会的影響
婦人科疾病の受診勧奨画面例
全国で約60万人が利用中
ドコモユーザー限定で提供される、月額300円(税抜)の有料サービスながら契約者数は約60万人に到達(2016年3月時点)。2013年のサービス開始後、ドコモ・ヘルスケアの売上げ・収益のおよそ1/3を占める主力商品となっている。
乳がんに対する認識向上に貢献
本サービスのユーザーによる乳がんセルフチェック実施率は約70%と、一般女性の35%に比べ高い。また早期発見の重要性についての理解率も90%以上と非常に高く、啓発効果が認められている。
婦人科疾病の早期発見に寄与
月経周期の異常や生理痛を放置、我慢してしまう女性は少なくない。本人も気づかない疾病の可能性を見逃さず、受診勧奨を行う本サービスは、ユーザーの健康意識を高め、疾病の早期発見に寄与している(毎月、アクティブユーザーの約10人に1人に受診勧奨が通知されている)。
PMSによる経済損失の回避に貢献
PMS による労働生産性の損失は年間5,000億円にのぼると推定される。本サービスの利用により、PMSや心身の状態変化に振り回されることなく仕事に従事できるというユーザーも多く、労働生産性の損失回避に貢献しているといえる。
組織データ
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事業者名
ドコモ・ヘルスケア株式会社
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本社所在地
東京都渋谷区
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業種
情報サービス
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従業員数
45名
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創立年月日
2012年7月2日
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URL
※掲載されている情報は、2016年7月12日現在のものです。
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