受賞サービス
総務大臣賞
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旅館・ホテル経営をITの力で改革する
「陣屋コネクト」株式会社陣屋(神奈川県)
旅館での業務に必要となる様々な機能を搭載した自社開発のクラウド型管理システム。従業員はタブレットやPCを用いてアクセスし、迅速な情報共有を実現。サービスの質と従業員の労働生産性を向上させた。
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- 旅館業務に必要な機能を網羅し、業務効率化や情報共有、経営情報の一元管理を可能とした
- ICTの有効活用により、経験に依存しがちな旅館サービスの質と労働生産性の向上を実現
- 300超の他社施設にもサービスを提供。各旅館の個性を保ちながら経営改革を支援し、地域観光の価値向上と雇用の創出に貢献している。旅館同士のリソースの融通にも取り組む
事業内容
旅館経営と地方創生への貢献
鶴巻温泉の「元湯陣屋」は創業100年の旅館で、昭和初期より将棋や囲碁の名棋士たちが王座を争う場として知られるようになり、全国的な知名度も高い。この元湯陣屋を経営するのが、「旅館を憧れの職業に」を事業ビジョンに掲げる陣屋である。
現在は旅館業だけでなく、クラウド型管理システム「陣屋コネクト」の開発・販売・導入支援、旅館同士のネットワークサービス「JINYA EXPO」など、日本全国の旅館の経営改革と地方創生に貢献する事業を幅広く展開している。
現在は旅館業だけでなく、クラウド型管理システム「陣屋コネクト」の開発・販売・導入支援、旅館同士のネットワークサービス「JINYA EXPO」など、日本全国の旅館の経営改革と地方創生に貢献する事業を幅広く展開している。
サービスの背景と目的
スタッフ間の情報共有をITで迅速化
2009年、多額の負債を抱え倒産の危機に瀕した「元湯陣屋」の社長に、当時エンジニアだった現代表が就任し、製造業の経営ノウハウを取り入れた経営改革を行った。現場の問題点を分析した結果、スタッフ間の情報共有が十分に行われていないことが課題だと分かった。
そこで、全スタッフで顧客情報を共有できるクラウド型旅館管理システム「陣屋コネクト」を自社開発。無駄な作業を省いて生産性を高め、接客時間を十分に確保することを可能にした。2012年からは外販も行っている。
そこで、全スタッフで顧客情報を共有できるクラウド型旅館管理システム「陣屋コネクト」を自社開発。無駄な作業を省いて生産性を高め、接客時間を十分に確保することを可能にした。2012年からは外販も行っている。
サービスの特徴と独自性
調理場では顧客・料理リストをリアルタイム表示
旅館での業務全般をサポート
陣屋コネクトは、旅館での業務に必要な機能を搭載したクラウド型管理システム。SNS 機能、予約管理、顧客管理、設備管理、勤怠管理、会計管理、売上管理などの旅館業務機能を自動化し、業務効率を向上する。旅館自らが開発しているため、現場のノウハウに基づいた機能を提供している。
上記の他にも、次のようなサービスを提供している。
(1)先進のIoTを活用することで、風呂温度・入浴者数等の自動監視や、車のナンバー認識、スタッフ間の会話の音声認識などを実現し、スタッフの作業負担を軽減
(2)売上や収支実績などの経営情報を一元管理
(3)システム導入教育や管理項目のカスタマイズ等、充実したサポート
上記の他にも、次のようなサービスを提供している。
(1)先進のIoTを活用することで、風呂温度・入浴者数等の自動監視や、車のナンバー認識、スタッフ間の会話の音声認識などを実現し、スタッフの作業負担を軽減
(2)売上や収支実績などの経営情報を一元管理
(3)システム導入教育や管理項目のカスタマイズ等、充実したサポート
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
万全のセキュリティと高頻度のアップデート
顧客情報を日常的に扱う旅館ではセキュリティの確保が重要となり、情報漏洩は経営に致命的なダメージをもたらす。陣屋コネクトは世界シェアNo.1のプラットフォームを基盤としているため、世界トップクラスの信頼性を確保している。また、サーバプログラムの更新を全ユーザーに即時反映できるため、改善のスピードが速く、全国の旅館からの要望をもとにほぼ毎月アップデートを行っている。
他のクラウドサービスとの連携が可能
会計ソフトやマーケティングツールなど、他のクラウドアプリケーションと簡単に連携できるため、先端技術や新機能を迅速に追加することが可能。
旅館同士をネットワークでつなぐ「JINYA EXPO※」
陣屋コネクトのネットワークをつなぐことで、足りないリソース(食材、人材、備品、顧客等)を旅館同士で交換・共同購買できるマッチングサービス「JINYA EXPO」プロジェクトの実証実験を行っている。小規模旅館でも気軽に使えるしくみをつくり、日本中の旅館の共通基盤として普及させることをめざしている。
※JINYA EXPO…JINYA EXchange POrtal serviceの略。
※JINYA EXPO…JINYA EXchange POrtal serviceの略。
得られた成果や与えた社会的影響
業務効率を改善しサービス品質もアップ
紙台帳での管理作業を廃止でき、業務効率が大幅に向上。旅館業ではめずらしく週3日の定休日を導入した。有給休暇の完全消化に取り組むなど働き方改革を実施した結果、従業員満足度が向上した。離職率は33%から4%に低下し、正社員化が進んだことで賃金アップを実現。スキルのある社員が定着し、サービスの質が向上した。
全国300以上の施設に導入
陣屋コネクトは日本全国の旅館、ホテルなどの宿泊施設、ブライダル施設、レストランなどで利用されている。導入施設数は300を超え、右肩上がりで増加している。導入施設の中には、導入後の1年間で売上高が144%、粗利益が170% に達した施設もある。
地域経済の活性化と雇用の創出
旅館は日本独自の文化を体験できる場として外国人観光客から注目されている一方で、廃業による施設数の減少が続いている。地方旅館の減少は地域の衰退に直結し、雇用にも影響をもたらすため、経営改革が急務となっている。
陣屋コネクトのサービスを各施設に提供し、個々の旅館が資本面で独立したまま共栄できるしくみを実現させ、旅館の個性を保ちながら経営改革を支援。旅館経営の再建に貢献することで、地方の観光価値を高め、経済の活性化や雇用増大、地方創生にも貢献している。
陣屋コネクトのサービスを各施設に提供し、個々の旅館が資本面で独立したまま共栄できるしくみを実現させ、旅館の個性を保ちながら経営改革を支援。旅館経営の再建に貢献することで、地方の観光価値を高め、経済の活性化や雇用増大、地方創生にも貢献している。
組織データ
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事業者名
株式会社陣屋
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本社所在地
神奈川県秦野市
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業種
旅館
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従業員数
45名
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創立年月日
1918年
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URL
※掲載されている情報は、2018年9月現在のものです。
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