受賞サービス
経済産業大臣賞
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健康を手から手へ
世界に広がるヤクルトレディ株式会社ヤクルト本社(東京都)
「ヤクルトレディ」は国内外で8万人超が活躍。日本発の宅配型サービスをモデル化し、多くの国で導入。生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献している。
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- 38の国と地域に展開し、1日約4,000万本の乳製品愛飲数の3/4を海外が占める
- 直接手渡しするお客様とのコミュニケーションや健康情報の提供、地域の見守りまでを含めたサービスを提供している
- 女性の社会進出・活躍にも貢献し、時代も国境もこえて親しまれる宅配サービス
事業内容
人々の健康で楽しい生活づくりに貢献
ヤクルト本社は「私たちは、生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します。」の企業理念のもと、食品や化粧品、医薬品などの事業を展開している。
ヤクルトの乳製品はすべて「予防医学」「健腸長寿」「誰もが手に入れられる価格で」の考え方を基に作られ、長年にわたって多くの人々に愛飲されている。近年、人の腸でよい働きをする生きた乳酸菌やビフィズス菌を健康維持・増進に役立てようとする「プロバイオティクス」という考え方が世界中に広まっている。今では38の国と地域で1日3,952万本(2018年3月期)のヤクルト乳製品が飲まれている。
サービスの背景と目的
主婦層を中心とした宅配モデルを確立
ヤクルトレディの宅配サービスは、1963年に導入された。当時は腸の健康や乳酸菌の働きの重要性があまり理解されていなかったこともあり、商品を届けると同時に健康な生活習慣の定着に向けた啓発活動が必要とされていた。
女性労働力の活用が課題となっていた社会背景を受け、主婦層を中心に採用し、家庭や職場に直接商品を届ける仕組みを確立。この販売モデルをアジアや中南米を中心に海外12の国と地域へ展開している。
女性労働力の活用が課題となっていた社会背景を受け、主婦層を中心に採用し、家庭や職場に直接商品を届ける仕組みを確立。この販売モデルをアジアや中南米を中心に海外12の国と地域へ展開している。
サービスの特徴と独自性
コミュニケーションを通じた健康情報の提供
ヤクルトレディは、商品知識のほか腸の大切さや乳酸菌などの健康情報を豊富に持つ。お客さまと直接会い、商品の確実なお届けと健康情報を中心としたコミュニケーションを実践。「いつまでも健康で楽しく生活したい」というニーズに応えている。
地域住民の暮らしやすさを全面サポート
商品をお届けしながら一人暮らしの高齢者の安否を確認したり、お話し相手になる「愛の訪問活動」や、自治体や警察署と連携した防犯パトロール等を行う「地域の見守り・防犯協力活動」などを実施。地域の安全・安心強化にも励む。
サービスをつくりとどけるしくみにおける工夫
育成をサポートする体制
企業理念や商品知識、接客マナーなどを学ぶ研修や訪問開始時の社員同行など、育成マニュアルが確立されている。現場では、先輩ヤクルトレディやセンターマネージャーのサポートも整備。初めてでも安心して業務に臨める。
さらに、サービスレベルの向上のため、独自の育成カリキュラムを有し、また、本社で研究や商品開発に携わる研究員から「菌の科学性」を学ぶ研修を実施するなど、グループ全体でヤクルトレディの育成に取り組む。
また、ヤクルト宅配における「お届け品質(サービスレベル)」を向上させるために、ヤクルトグループ全体で「真心対応」を実践できるヤクルトレディの育成に取り組んでいる。
さらに、サービスレベルの向上のため、独自の育成カリキュラムを有し、また、本社で研究や商品開発に携わる研究員から「菌の科学性」を学ぶ研修を実施するなど、グループ全体でヤクルトレディの育成に取り組む。
また、ヤクルト宅配における「お届け品質(サービスレベル)」を向上させるために、ヤクルトグループ全体で「真心対応」を実践できるヤクルトレディの育成に取り組んでいる。
ヤクルトレディとお客さま
顧客と一体となった価値の共創とその場づくり
地域の健康への貢献活動として、ヤクルトグループでは工場の見学会や、おなかの健康、食育、生活習慣病予防などについて伝える「健康教室」や「出前授業」を実施している。ヤクルトレディは担当地域のお客さまをその場に招待したり、有益な情報やサービスを提供する役割を担う。
女性が働く環境をサポート
働く時間は家庭の主婦が働きやすい時間帯が中心で、委託販売を原則とし、扶養控除の範囲内・外もヤクルトレディ本人が決めることができる。小さな子供のいる女性でも働きやすい職場として、国内約1,200 ヵ所の保育所も設置している。さらにICT を活用した情報管理や電動自転車などの積極導入、
制服の改良、商品の軽量化など、業務効率化や労働環境の改善にも取り組む。
得られた成果や与えた社会的影響
地域社会における健康意識向上
ヤクルトレディは商品の宅配を通じ、腸を丈夫にすることの大切さや乳酸菌の働きについて伝えることで、地域住民の健康意識向上に寄与し続けている。「健康教室」等のイベントは海外でも展開され、高いレベルでの健康意識の向上に貢献している。
暮らしやすい地域社会づくりに貢献
「愛の訪問活動」や「地域の見守り・防犯協力活動」などが地域の自治体からも評価されている。全国各地の販売会社では、市区町村等との間で、例えば高齢者見守りネットワークの協力事業者としての協定などを締結している。ヤクルトレディが具合の悪いお年寄りを発見し、救命に貢献したことに対し、自治体から表彰を受けるケースも出ている。
日本にとどまらない女性活躍の促進
就労機会の創出:全世界で8万人以上(国内34,888人(2018年3月末現在)、海外46,559人(2017年12月末現在))。
ヤクルトレディが導入された1963年の高度成長期以降、女性の社会進出の先駆けとも呼べる存在となり、新興国を中心に海外でのロールモデルとなっている。例えば女性が積極的に活動できる環境が整っていないインドネシア等において、ヤクルトレディの採用が広がる。担当エリアを自宅近くにしたり、充実した研修や社員によるきめ細かいフォロー等によりモチベーション向上を図るなどしながら、本人や家族が安心して働き続けられるよう支援を行っている。
ヤクルトレディが導入された1963年の高度成長期以降、女性の社会進出の先駆けとも呼べる存在となり、新興国を中心に海外でのロールモデルとなっている。例えば女性が積極的に活動できる環境が整っていないインドネシア等において、ヤクルトレディの採用が広がる。担当エリアを自宅近くにしたり、充実した研修や社員によるきめ細かいフォロー等によりモチベーション向上を図るなどしながら、本人や家族が安心して働き続けられるよう支援を行っている。
組織データ
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事業者名
株式会社ヤクルト本社
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本社所在地
東京都港区
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業種
食品
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従業員数
2,848名
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創立年月日
1955年
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URL
※掲載されている情報は、2018年9月現在のものです。
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