優秀賞

残量検知で自動発注・配送を実現
潤滑油販売「IBCローリーサービス」

株式会社FUKUDA(京都府)

自動車のカーディーラーや修理工場向けにエンジンオイルを販売。従来のドラム缶による販売ではなく、残量検知機能付きのオイルタンクを設置し、量り売りする手法を開発。残量を見て自社のローリー車で出向き、オイルを販売・提供する業界初のサービスを展開している。

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  • 地域密着でオイルの販売から廃油の回収・処理までワンストップで対応。顧客のオイル在庫量を管理し、顧客側の手間やリスクを解消するとともに低価格を実現
  • IoTの活用で、労働環境の改善やCO2排出削減にも貢献。成熟した業界における新しい販売形態であり、他地域での展開や異業種への応用も期待できる

近畿地方でエンジンオイルを販売

京都市山科区に本社を構え、京都府、大阪府、滋賀県など近畿2府4県のカーディーラーやカーショップ、自動車修理工場、バイクショップにエンジンオイルを販売する。
消防法の許可を得て、自動車潤滑油として関西最大規模の倉庫を保有して保管。運送業の許可や産業廃棄物収集運搬許可も取得しており、販売の際のオイル配送も、顧客が使用したエンジンオイルの廃油や空き缶、空きドラム缶の回収もできるため、オイルの販売から回収に至るまで1社で請け負える数少ない企業である。

価格、持ち運び、ドラム缶…全ての課題解決へ

近年の原油価格の高騰に伴い、オイルや容器の市場価格が高騰の一途をたどっている。安価な商品を求める顧客の要望とは相反する。
また、オイルもドラム缶も重く持ち運びが大変で、顧客への負担が大きかった。さらにドラム缶は使用後に廃棄されてしまうため、環境への負担も懸念材料だった。
こうしたさまざまな課題を解決し、オイルの販売から回収・処理までの関連する許認可を全て保有する同社にできるサービスとして、「IBC ローリーサービス」の導入に至った。

他社にはない「ワンストップサービス」を実現

ドラム缶やペール缶での販売が基本だったが、IBCタンクと給油装置を車両に搭載してお客様に量り売りするサービスは業界初の手法。また、オイルの販売だけでなく保管、配送、廃油、空き缶や空きドラム缶の回収をすべて請け負っている。厳しい社内規定のもとで法令順守の教育を定期的に行い、ワンストップサービスを実現している。

ICTを活用した残量検知システム

オイル卸売販売業界では初めて、ICTを利活用したオイルの残量検知システムを導入した。顧客先のオイルタンクのオイル量が一定量を切ると自動検知。検知した顧客をローリー車で回り補充していく。これにより、顧客の残量管理や発注の負担を軽減し、在庫切れの不安も解消。またローリー車の配送ルートは自動で設定されるため、配送効率の向上にもつながっている。

地域密着型営業で顧客満足度アップ

営業範囲は近畿2府4県に限定。範囲の拡大はせず、多くの顧客を獲得することに専念し、フォローする顧客は3,000件を超えている。各エリアの担当者が顧客1件1件を回り、Face to Face で細かな対応を実施する。
顧客の声を社内で共有する体制を整え、社内で全社員が活用する日報システムにおいて、各担当者が訪問して得られた顧客の声を全社で共有。その内容に対して、誰でもアドバイスやコメントを入力し、次の訪問やサービスに反映できるようにしている。

顧客の作業負担を軽減

顧客に残量検知システム付きのオイルタンクを提供することで、ドラム缶やペール缶などの容器がいらなくなった。これにより、オイルの販売価格を安く抑えられるほか、1リットル単位で購入できるため、在庫コストの削減にもつながっている。また、顧客自身での運搬作業も不要になり、身体的な作業負担も大きく軽減されている。

外部への電源供給も可能な「IBCローリーサービス」 の配送車両

ドラム缶・ペール缶が不要となり、CO2も削減

「IBC ローリーサービス」の導入により、保管・運搬に使っていたドラム缶やペール缶が不要となり、容器の製造、輸送、廃棄等で生じるCO2排出量(一般家庭の年間電気使用量の50世帯分に匹敵)の削減にもつながっている。また、給油の際にはエンジンをかけたまま発電するか、顧客先にコンセントを借りていたが、同サービス開始時に蓄電機能付きの新型配送車両を導入し、蓄電した電気を利用してエンジンをかけずにオイルを注げる仕組みを構築。それにより、作業中の騒音や排気ガスを削減できた。2012年8月に同サービスがエコマーク認定を取得。環境への配慮だけでなく、お客様にも喜んでもらえるようになった。

職場環境の改善

従来の販売において必要だったドラム缶の移動作業や、手動式ポンプでのオイルの吸い上げ作業などの重労働がなくなったことで、女性や高齢の従業員でも容易に業務に取り組めるようになった。また、作業所内の整理整頓、オイルの在庫管理の縮減による財務負担の軽減に寄与し、配送効率の向上によって年間休日の増加にもつながっている。

災害時に地域連携

2016年11月、本社がある京都市山科区と「災害時における電気の供給に関する協定」を締結した。「IBCローリーサービス」開始時に導入した新型の蓄電機能付き配送車両には、外部に100V 電源を供給する機能も備わっている。その機能を活かし、災害時には山科区からの要望により、電源供給車両として避難所などで電気を供給する。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社FUKUDA

  • 本社所在地

    京都府京都市

  • 業種

    卸売(潤滑油)

  • 従業員数

    18名

  • 創立年月日

    1976年

  • URL

    http://www.fukuda-lub.co.jp

  • ※掲載されている情報は、2018年9月現在のものです。

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

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