総務大臣賞

受賞サービス

総務大臣賞

さまよい、探索し、発見する
共創型「デジタルアートミュージアム」

森ビル株式会社／チームラボ株式会社（東京都）

「Borderless」をコンセプトに先端映像技術と日本の古典芸術や自然を表現したデジタルアートを融合し、身体ごと作品に没入する双方向の映像体験を提供。従来の美術館とは全く異なる「デジタルアートミュージアム」というアート・エンターテイメント・教育等の複合サービスの新業態を創出した。

事例のPDFをダウンロード

作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続け、他の作品との境界線がなく、時には混ざり合う。作品が、鑑賞者の存在やふるまいによって変化するアート体験を提供する双方向の超臨場映像サービスを確立。
国内外の顧客がチケットを事前に直接購入したり、混雑を回避するよう入館スケジュールを最適化できるなど、顧客管理に関しても優れたITシステムを自社開発。コロナ禍にも柔軟に対応。
SNSなどにより来場者の活発な情報発信が行われた結果、来館した訪日外国人の半数以上が「この施設を目当てに東京に来た」と回答しており、東京の新たなグローバルな集客拠点となっている。

事業内容

都市づくりに様々な文化施設を組み込む

総合ディベロッパーである森ビルは、都市づくりに様々な文化施設を組み込んだ都市開発実績を誇る。アート集団であるチームラボは、最新技術を駆使し常識を大きく超える作品を多数創出するなど、世界から高い評価を獲得している。

サービス提供の背景・経緯

唯一無二のデスティネーションを創出

森ビルとチームラボとの異業種連携によって、唯一無二のデスティネーションを創出することを目指す。2018年6月、お台場に世界に類のない新しいミュージアム「MORI BuildingDIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」を誕生させた。

サービスの概要とその革新性

最先端映像技術とアートの融合

「デジタルアートミュージアム」は、多彩な映像が繰り広げられ、作品と鑑賞者の境界を超えたボーダレスな空間の中、自分自身も作品の一部となって楽しめる体験型ミュージアムである。最先端映像技術を活用し、館内の作品は500台を超えるコンピュータとほぼ同数の高精細プロジェクタ、無数のセンサーによって制御される。人が作品を触ったり、館内で飛び跳ねたりすると、その動きを察知したコンピュータが、独自のアルゴリズムによって次から次へと作品を変化させていく。

立体的思考を高める五つの空間で構成

10,000㎡の規模を持つ。境界なく連続する一つの世界をテーマにした「Borderless World」、トランポリンやボルダリング等、身体による立体的思考を高める「運動の森」、3次元での動的な美しさを表現した「ランプの森」等、五つの世界（空間）で構成されている。

サービスの成果・実績とその優越性

年間230万人以上が来場、訪日外国人が過半

開業初年度の1年間で世界約160ヶ国から230万人以上が来場。うち約半数が訪日外国人。顧客アンケートでは、訪日外国人の半数以上が「この施設を目当てに東京に来た」と回答している。

スムーズに入館できるよう来場者管理を重視

インバウンド（海外）客向けにチケット購買の事前購入制を導入。また、混雑を避けスムーズに入館できるようにスケジュールの最適化などの来場者管理を重視し、優れたITシステムを自社で開発する。

サービスイノベーションとして優れている点

双方向の超臨場映像サービスを確立

館内は真っ暗。順路はない。鑑賞者は身体を使って広大な空間をさまよいながら探索し、作品を発見し、館内の他者と共にその日、その場でしか体験できないアートを堪能できる。今までになかった、デジタル映像アート体験を提供する双方向の超臨場映像サービスを確立している。

作品自体が動的に変化

作品に含まれる魚や鳥のモチーフは、場所を超えて移動し、毎回、まったく違う体験を提供してくれる。何度来ても異なる体験や作品が楽しめる仕組みである。
鑑賞者の動きや作品へのタッチによって、作品自体が動的に変化するため、インタラクションそのものが作品の一部となっている。

社会の発展への寄与

海外からの訪日を誘発

多言語に対応。スムーズなチケット購入システムにより、海外から多くの訪日を誘発。世界40ヶ国以上で報道される。SNSでも広く拡散され、訪日して必ず訪れるべき場所として注目される。

新たな教育コンテンツとなる可能性

子ども自身が、作品のモチーフを作ったり、物を移動させたりすることによって、周りが動的に変化することを体験できる。また、現実世界では想像できないような、非日常的な空間認識を体験できる。このような体験型のデジタルコンテンツは今までになく、新たな教育コンテンツとなる可能性を有している。

館内の光景

組織データ

事業者名

森ビル株式会社／チームラボ株式会社
本社所在地

東京都
業種

美術館
従業員数

4,111名（森ビル）／700名（チームラボ）
創立年月日

1959年（森ビル）／2001年（チームラボ）
URL

https://borderless.teamlab.art/jp/

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます

さまよい、探索し、発見する 共創型「デジタルアート ミュージアム」