地方創生大臣賞

過疎地や離島でもシルバーの人生を豊かに
安近短の理美容室「IWASAKI」

株式会社ハクブン(神奈川県)

日本全国で970以上の理美容室を展開。高品質な理美容技術を標準化し、カット約9分、カラー約7分といった短時間でサービスを提供するなど生産性を向上するとともに、柔軟な価格設定で低価格を実現。短時間勤務制度の導入や定年年齢の撤廃なども行いながら、安心して働き続けられる職場づくりを進めている。

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  • 従来珍しかった均一価格のアラカルトサービス(カットのみ、カラーのみ等)、従業員が働きやすい時間帯に多く来店いただくための平日タイムサービス、店舗バリアフリー化等、経営革新を継続的に取り組んでいる。
  • 生産性を高めて実現したローコスト運営モデルにより、970以上の店舗の3分の2を地方と過疎地域に展開。同時に、従業員の定着率を高めるとともに、業界平均と比べ80万円以上高い年収を実現している。
  • 商慣行にこだわらないサービスの探求と生産性向上の徹底により、高齢化・過疎化が進む地方における理美容サービスの継続提供を実現し、理美容業界全体のサービス革新と地方創生に貢献している。

過疎地や離島も含め約970店舗を展開

1986年、東京・自由が丘で創業。理美容業界の商慣習への問題意識をもとに、1995年に「美容室IWASAKI」を立ち上げる。『IWASAKIの目的は働く人の幸せを通して社会に貢献すること』『IWASAKIはIWASAKIの為ではなく、働く1人1人の為に存在する』『技術を通して、人にやさしい喜びを作る』という経営理念のもと、従業員の働きやすさ・待遇向上のために、各種の生産性向上に取り組む。
離島も含め全国に970以上の店舗(一部は理容室)を展開。その6割強が地方や過疎地に立地する。

シニア層を中心に低価格のサービスを提供

短時間勤務制度の導入や定年年齢の撤廃等を行い、多店舗化を展開。シニア層を中心に低価格で良質なサービスを提供している。

業界全体に共通する課題に対応

理美容店は、駅前・繁華街に立地することが多く、価格帯は5千円~1万円程度が多い。予約制の場合も多く、入店から退店までに2時間近くを必要とする。また、従業員の所得水準は低く、長時間労働の常態化など処遇改善も課題である。
このような課題認識を踏まえ、「美容室IWASAKI」を創業する。2003年から取り組みを本格化。過疎地立地・短時間サービス・低価格化を基軸にしつつ、結婚・出産・介護・高齢化といったライフステージの変化の中でも、社員が安心して勤務できる就労環境整備や働きがいの提供、および所得水準の向上を実現している。

短時間・低価格なサービスを展開

シニア客をメインターゲットとし、過疎地や離島といった地域に重点的に出店。短時間(カット約9分、カラー約7分など)で、リーズナブルな価格帯(カット980円、前髪カット390円、カラー2,600円、カット+パーマ3,300円など)で良質な理美容技術を提供。

一人稼働が可能なサービスモデルを実現

理美容業界の慣行をゼロベースで見直す。カット技術を標準化し、一人稼働が可能な店舗とオペレーションを開発。小売業のチェーンストアのオペレーションやマネジメント手法を土台に独自にカスタマイズし続けた結果、短時間・低価格・コンパクトで、過疎地や離島でも採算性を確保できるサービスモデルを実現する。

働きやすい環境を提供

高年齢や結婚後の育児等で理美容業界では働きにくい理容師・美容師を積極採用。需給変動に柔軟な価格設定や店舗運営で対処することで業績を安定化させ、業界平均より高い年収を実現している。

コンパクトな店舗形態も開発

一人稼働が可能で、面積がコンパクトな店舗形態(10坪以下)も開発。過疎地での安定的な出店が可能となる。2014年以降、年平均90店舗の出店を継続。業界で初めて直営で970店舗を展開するまでに成長。地方と過疎地で6割強を占める。

離職率が低く、8割以上の定着率

離職率が高い理美容業界において、極めて高い従業員定着率88%(3年目)を実現。定年年齢も実質設定していない(過去最高齢は78歳)。従業員平均年齢は約46歳(業界平均31歳)。中高年の年齢層でも長く勤務し続けられる労働環境を構築している。

商習慣に捉われない価値提案

理美容室難民のニーズに応え、過疎地や離島の50代以上のシニア層に特化したコンパクトな店舗を展開。人手不足対策を施した効率的な店舗運営を行うために、高齢の顧客と理容師・美容師(例:育児中やシニア)の双方の要望に対応する。例えば、❶平日の価格優遇タイムサービス(カット980→690円、カラー2,600→1,980円)、❷セットメニューを廃した業界初のアラカルトでのサービス提供、❸バリアフリー店舗の開発、❹待ち時間が発生する場合のQRコードによる情報提供等、従来の商慣行にはなかった革新的で優れた価値提案を次々に実践。短時間かつ低価格で安心して利用できるサービス提供を可能とする。

短期間で社員のスキルを標準化

社内イントラネットを通じて、文書・動画の作業マニュアルを共有。また、業界慣行となっている閉店後の技術指導に代えて、営業時間内の閑散時間帯での自己訓練と管理者による指導を併用する等の施策を導入。短期間で従業員のスキルを標準化している。

過疎地や離島における雇用創出

過疎地や離島での出店にあたっては、高齢の理容師・美容師や子育て中の主婦といった通常の理美容室では働きにくい層を積極的に雇用。また、働きやすさと平均以上の所得水準を実現することで、理美容室が不足する地域への貢献や、人手不足の理美容業界への貢献など、社会的課題への対応に大きく寄与している。

地方・過疎地への出店と雇用の仕組み

組織データ

  • 事業者名

    株式会社ハクブン

  • 本社所在地

    神奈川県

  • 業種

    理美容

  • 従業員数

    3,212名

  • 創立年月日

    1986年

  • URL

    http://hkbn.co.jp/

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

©サービス産業生産性協議会(SPRING)