受賞サービス
経済産業大臣賞
-
AIが講師として教える
第三の学習塾業態「自立学習RED」株式会社スプリックス(新潟県)
一斉指導塾と個別指導塾の双方が抱えていた個々の課題に対して、AIを活用した科学的アプローチによって生徒一人ひとりに最適化された学習指導プログラム「eフォレスタ」を開発。1~2名の講師未経験者でも20~40名の生徒の対応を可能とさせる新しい学習塾サービスをフランチャイズ中心に全国展開する。
事例のPDFをダウンロード
- 個別最適化学習プログラムと講師の組み合わせで、顧客ニーズの高い「個別指導塾」が抱える人手不足・人件費高騰問題を解消する「自立学習塾」モデルを創出。「近所の塾が運営困難になり通える塾がなくなった」「塾に高いお金を払えない」等の事情を抱える全国の生徒層に教育機会を提供する社会イノベーションを実現。
- 講師に「週に5つのサービス改善提案」を募り、実行可能なものは次の週に改善を許可・遂行する、スピード感あるサービス改善サイクルが社内に定着している。
- このサービスモデルは「GIGAスクール構想」でICT化を進める学校にも移植可能なヒントを示唆する。
事業内容
ITを活用した新たなサービスモデル
学習塾を全国で展開。一斉指導塾と個別指導塾の双方の長所を活かすことを目指すとともに、ITを活用した新たなサービスモデルとして「自立学習塾」を事業化。地方や小さな町でもフランチャイズ形式での展開が可能。急速に教室数を拡大。人的資源の制約(講師不足)や高い固定費構造(高い人件費)を克服するサービスモデルである。
教育で世界No.1企業になるというビジョンのもと、国内だけでなく海外展開にも積極的に挑戦する。
教育で世界No.1企業になるというビジョンのもと、国内だけでなく海外展開にも積極的に挑戦する。
サービス提供の背景・経緯
学習塾業界が共通して抱える課題の解決を目指す
受動的な学習スタイルなどの一斉指導塾の課題を解決するために、20年前に個別指導塾を開講。塾運営の中で、講師による指導レベルのばらつきや講師不足の課題に直面する。学習塾業界全体に共通する過度な労働集約型のビジネスモデル、超過労働時間の存在、女性が活躍しにくい環境等の課題も併せて克服するために、一斉指導型でも個別指導型でもない「自立学習型」の塾を、ICTとAIを活用した新たなモデルとして構想化する。
サービスの概要とその革新性
デジタル支援による自立学習
属人的に勘と経験でサービスを提供していた学習塾の分野に、AIを活用した科学的アプローチを導入。下記四つの特徴を持つ。
❶個別最適化学習プログラム「eフォレスタ」によって、一斉指導塾同様に高レベルで標準化された指導を提供。
❷AIを活用し、個別指導塾と同様に生徒一人ひとりに合わせた学習カリキュラムを提供。
❸学習指導は主に「eフォレスタ」で行う。講師は未経験者でも対応可能。講師を確保できない地方でも運営できる。運営困難となった個別指導塾の継続も可能。
❹学習塾業界が抱える人的資源の制約(講師不足)と高い固定費(人件費の高さ)を克服。
❶個別最適化学習プログラム「eフォレスタ」によって、一斉指導塾同様に高レベルで標準化された指導を提供。
❷AIを活用し、個別指導塾と同様に生徒一人ひとりに合わせた学習カリキュラムを提供。
❸学習指導は主に「eフォレスタ」で行う。講師は未経験者でも対応可能。講師を確保できない地方でも運営できる。運営困難となった個別指導塾の継続も可能。
❹学習塾業界が抱える人的資源の制約(講師不足)と高い固定費(人件費の高さ)を克服。
サービスの成果・実績とその優越性
一般的な学習塾よりも低価格
1~2人の講師で20~40人の生徒に対応できるため、授業料は、一般的な学習塾のほぼ半額の水準。人件費をIT活用により、広告宣伝費をクチコミにより抑える。国内30都道府県で133教室を展開、海外にも6教室を展開(2020年12月)。
スピード感ある改善サイクルを構築
講師には毎週、業務改善案の提出を募る。実行可能なものから実施。スピード感ある改善のサイクルが構築され、社内に定着している。毎週数百にのぼる改善案が提出されている。
サービスイノベーションとして優れている点
AIを活用した新しい学習塾モデルの創出
AIを活用した科学的アプローチで開発された個別最適化学習プログラムと講師による指導の組み合わせによって、第3の塾業態といえる「自立学習塾」モデルを開発。単元や問題単位を越えて、生徒が持つ特徴やクセに至るまで各問題を分解し、間違えやすい部分を特定するなど、生徒一人一人にあった指導を展開している。
ICTを活用し教室運営も効率化
教室運営にあたっての各種オペレーションの効率化に向けて、個々のメニューをデータベース化(REDナビ・リファ)する。個々の行動の意味や効果等を確認することができる。これらは、開講時の講師トレーニングやOJTにも活用している。
社会の発展への寄与
教育格差を解消するソリューション
低価格の授業料とフランチャイズによる地方への高い展開力を有する。「塾に高いお金を払えない」「近所の塾が運営困難になり通える塾がなくなった」等の事情を抱える全国の生徒層に教育機会を提供する社会的イノベーション実現の可能性がある。教育格差を解消するソリューションの一つである。
教育産業全体の生産性向上
AIを駆使し実現したサービスイノベーションの方法論は、学習塾業界だけでなく教育産業をはじめとした幅広いサービス分野での生産性向上のモデルとなりうる。このサービスモデルは、「GIGAスクール構想」でICT化を進める学校にも展開していくヒントを示唆している。
サービス提供の全体像
組織データ
-
事業者名
株式会社スプリックス
-
本社所在地
新潟県
-
業種
学習塾
-
従業員数
1,226名
-
創立年月日
1997年
-
URL
※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます