経済産業大臣賞

「歩ける喜び」を届ける介護シューズ
真心と感動のサービス

徳武産業株式会社(香川県)

歩くことに不安を持つ人に対し、つまずきにくく安心して歩ける「あゆみシューズ」を25年前から独自に開発。片方ずつや左右サイズ違いの靴の販売、顧客からの細かな要望に対して可能な限り部分的なカスタマイズに応じるなど、「歩ける喜び」を届けるための仕組を改善し続ける。顧客の声やニーズに寄り添うことで、業界常識を覆している。

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  • 左右で足の長さが違う顧客には底の厚さを左右で変えるなど、高齢者・障碍者のニーズを細かに把握し、パーツオーダーシステムによる個別最適化された靴を、安価かつ短納期で提供するサービスを創出した。
  • 介護シューズ全国シェアは数量ベース55%、金額ベース38%を誇り、「亡くなる前日まで自分の足で歩くことのできる人」を一人でも増やすことで、介護負担軽減や医療コスト低減などの大きな効果が期待できる。
  • 左右片方ずつの販売や、左右サイズ違いの販売など個別対応も行う。さらに、徹底的な個別対応で得たユーザーの悩みを解決する経験と技術を汎用品の開発に生かし、高い顧客満足と付加価値の好循環を実現している。

ケアシューズ等の製造・販売

高齢者・障碍者用のケアシューズ、ルームシューズ等の製造・販売を行う。顧客の足に合う靴を目指し、サイズを豊富に揃える。足に合った形に部分的にカスタマイズするサービスも提供。
自社開発した製品の99%を中国の協力工場で製造し販売。検品は、専門の別会社に委託し実施。販売先は、大手介護用品・福祉用具の卸・メーカー、大手量販店、福祉用品販売業者など。直営店「あゆみショップ」でも販売。

「お年寄りが転ばない靴」ができないか

高齢者は、はれ、むくみ、病気による変形などで左右の足の大きさが違ったり、履きやすい靴がなかったりといった悩みを抱えている。特別養護老人ホームの経営者からの「お年寄りが転ばない靴」ができないか、という要望を端緒とし、2年をかけて「あゆみシューズ」を開発。開発期間中、30に及ぶ介護施設を訪問し、500人以上の高齢者の声を聴く。現会長と副会長も自ら施設を訪問。高齢者にとって転倒は致命的であり、その原因が靴にもあることに気づく。

カスタマイズ、個別対応も導入

悩みに合った豊富な種類の既製品、それでも対応できなければ部分的なカスタマイズ、特別な場合は個別対応を徹底。「ここまでやるのか」というサービスを提供する。
❶顧客への徹底的な聴き取りや「アンケートハガキ」で高齢者や障碍者の悩みを調査し、個別に対応を検討(年間約2万件のアンケート回答を得る)。
❷業界の常識を覆す、片方ずつや左右サイズ違いも販売。
❸個別対応をシステム化し、顧客のサイズに合うよう部材を調整する「パーツオーダーシステム」を開発(CAD/CAM、自動裁断機等を活用)。
❹パーツオーダーシステムで注文の多い要望を既製品化。また、特定の症状に特化した「あゆみメディカル」を開発。
❺介護靴の技術とノウハウを活かした快適な履き心地と、コーディネイトしやすいデザインと色を兼ね備えた元気な高齢者向けのシューズ「aimyu」を開発。
❻それでも満たされないニーズは、ドイツ人マイスターによる専門的処方でも対応。

顧客の悩みを聴くとともに使用状況を観察

高齢者や障碍者の歩くことへの悩みを徹底的に聴くとともに、使用状況を観察することで悩みを理解し、個別対応することで技術を磨く。

累計で1,650万足にも及ぶ販売実績

1995年の発売以来、累計販売足数は1,650万足に達する。パーツオーダーは、月1,000足に対応。マイスターは、月に1回約10名分に対応。

累計で約3万通にのぼる顧客からの礼状

経営理念の中にも掲げる「心に響く感動の提供」の一環として、社員手書きの「まごごろはがき」と「アンケートハガキ」を商品と一緒に送付。購入後、アンケートハガキをご返送いただいた顧客には、誕生日プレゼントを2回送付。顧客からの感謝の礼状は累計で約3万通に達する。日本でも有数の「礼状をたくさんもらっている」会社といえる。

顧客との価値共創による介護シューズの提供

顧客のニーズは自分の足に合った靴が欲しいことである。高齢者・障碍者の潜在的なニーズを徹底的に理解し、靴は既製品という既成概念を破り、その人に最も適した靴を安価に提供する仕組みを構築する。従業員の3割を占める開発部隊が、徹底的に個別ニーズに対応。パーツオーダーシステムでも納期は1~3日で対応してしまうものが多い。月1,000足、日50~60足を提供。部材は計7,000種。組み合わせは単純計算で1億2,000万通りにもなる。販売後も顧客の声を聴き、より新しい靴を一緒に作り上げる。その対応は社内で共有され、靴の開発や改良、提供する仕組みの改善に反映される。靴にまごころを込めて「歩ける喜び」をお届けする企業である。

介護負担軽減や医療コスト低減にも貢献

歩行が困難な人に安心して歩ける靴を作り提供することで、その人の人生と心を明るくすることにつなげている。ひいては、周囲で介護をする家族をはじめ、介護・医療に携わる人たちに対しても身体的、精神的、経済的負担の軽減も期待できる。
靴のカスタマイズの追求にあたっては、利益基準で考えず、顧客の悩みをまず解決することを重視。また、靴の「片方のみ販売」においては、業界全体の成長という観点からもビジネスモデルの特許取得を見送っている。

「あゆみシューズ」の特性

組織データ

  • 事業者名

    徳武産業株式会社

  • 本社所在地

    香川県

  • 業種

    製造(靴)

  • 従業員数

    82名

  • 創立年月日

    1957年

  • URL

    https://www.tokutake.co.jp/

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