優秀賞

計画的な仕入れ・作付けを可能にする
花きの「お取寄取引」

株式会社オークネット(東京都)

花きの作付け情報をカタログ化し、事前予約注文(お取寄取引)を実現する。生産者は、作付け情報と写真を登録。生花店は、必要な花の量と時期を選び、事前に予約注文。生産者は必要量のみ出荷すればよく、生花店は計画的な仕入れが可能となる。生産者と生花店の両者にとって生産と販売を最適化する新たな花き取引サービスである。

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  • 従来の「競り」というプロダクトアウトな市場メカニズムの需給ミスマッチによる負の側面(過当値下げ、花材廃棄ロス、時間の無駄など)を解消し、生産者と生花店の経営安定化に貢献するサービスモデルである。
  • 花きの生産は不確実性が高く、これまで生産情報はブラックボックスであった。これをカタログ化することにより、生花店から生産者への予約注文サービスを実現させている。
  • トラック会社を束ね、独自の生鮮品配送プラットフォームを構築している。これにより、より鮮度の良い花きの仕入れを可能としている。

花きのインターネット取引を展開

1985年に世界初の衛星通信による中古車オークションを開始。現在、インターネット通信を用いた様々なリアルタイムオークションを展開。1997年より、花きのオークション等の「インターネット花市場 バネット」を開始。

花きのカタログ販売に進出

2018年12月、花き分野での新たなサービスとして花き生産者と生花店向けWebサービス「お取寄取引」を開始。お取寄取引は、花きの生産・出荷予定情報をカタログ化し、生花店がそのカタログで色や花姿を確認しながら、欲しい花を手軽に予約注文できるカタログ販売である。2019年11月より、鉢物にも拡大。

花き生産者のための流通の仕組みづくりを展開

中古車オークションで培った情報流通技術を活かし、花きのネット取引を実現する。売値の暴落を抑える仕組みを実装し、生産者にも配慮した流通の仕組みづくりを展開している。

流通面で多くの問題を抱える花き業界の現状

花きは、切り花などができた時に生産者が市場に持ち込み、生花店はその中から買うという一方通行的(プロダクトアウト)な市場である。
市場での競りが中心であり、需給状況によっては瞬時に売値が暴落してしまう恐れがある。また、箱単位(ロット)での販売のため必要数以上の仕入れが必要となり、生花店側で花きの余剰が発生することも多い。
加えて、生花店が競りに参加(市場に出向く)する場合、およそ3時間×週3回も拘束される。その大半は待ち時間である。花き業界は、流通面でまだ多くの問題を抱えている。

カタログによる花きの予約注文システム

お取寄取引は、生花店が「入荷確定前の段階で欲しい商品が選べる」サービスである。生産者は、花きの作付け情報(量、出荷時期)や売値などの情報を写真(花姿)とともに登録し、カタログ化。生花店は、そのカタログから必要な花きの量と時期を選び、事前に予約注文する。
おおむね出荷の2週間前に注文が確定するため、生産者は、安定した経営を実現できる。購入側の主な顧客は、安さよりも計画的な仕入れを重視する冠婚葬祭事業者や生花店である。贈答品向けの利用もある。

複数種・少量での購入(オーダーミックス)が可能

生産者がカタログに掲載している花きの中から、複数種の花きを少量ずつ仕入れられる方法(オーダーミックス)も開発する。これにより、花きの余剰の発生を解消し、競りによる過当な値下げを回避できる。中には花きの売値が約2倍の水準となったケースもある。

計画的で無駄のない取引が可能

生産者と生花店の両者にとって、計画的で無駄のない取引が可能になる。生産者は、販売見込みに応じた計画的な作付けが可能になる。生花店では競りへの参加やロット仕入れから解放される。生産と販売が最適化されることで、需給ミスマッチによる負の側面が解消される。
またトラック事業者と提携し、独自の生鮮品配送プラットフォームを構築。より鮮度の良い花きの仕入れを実現している。

ブラックボックスだった生産情報をカタログ化

生花店にとってブラックボックスであった花きの作付け情報を、生産者がカタログに登録することで可視化する。また、カタログにより、希少種も含めより多くの種類の花きを一覧できる。カタログを通して市場に認知されることで、鉢物等の埋もれた逸品が再流通する機会も生まれている。

マーケットインの取引を実現

生花店からの「こういうものが、いつ欲しい」という顧客ニーズを起点に生産者が花きを出荷するマーケットインの取引を実現している。同一の生産者が販売する花きであれば、1箱に複数種・少量で組み合わせて購入できる、オーダーミックスも革新的である。

花き生産者との信頼関係が基盤

生産者の理解および長年の商習慣を変える努力や、生産者と連携しての花きの用途に合わせた商品の企画開発などを通して、花きの新しい流通に取り組む。生産者との信頼関係があるからこそ成立するモデルである。

「お取寄取引」の仕組み

経営安定化と無駄の解消に貢献

生産者の経営安定化(売値上昇、計画的な作付け)と生産性の向上(無駄の解消)に貢献。プロダクトアウトな市場メカニズム(競り)から生じる需給ミスマッチによる負の側面(過当値下げ、花き廃棄ロス、時間の無駄)を解消している。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社オークネット

  • 本社所在地

    東京都

  • 業種

    情報関連サービス

  • 従業員数

    813名

  • 創立年月日

    1985年

  • URL

    https://www.aucnet.co.jp/

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