優秀賞

チェーンストアの常識を覆した
「丸亀製麺」の手づくり・できたて食体験

株式会社トリドールホールディングス(東京都)

「丸亀製麺」は、全店に製麺機を設置し、塩・水・小麦粉からその日その日の状況に合わせて最良のうどん生地をつくり、手づくり・できたてのうどんを提供。一般的なチェーンストア理論と異なるビジネスモデル(国内全店舗直営、セントラルキッチンを持たない、職人制度の活用など)で多店舗展開し、かつ高い顧客満足度を維持。

事例のPDFをダウンロード
  • 大規模チェーン店として初めて、店内製麺でできたてのうどんを顧客に提供。セントラルキッチンを持たないことを強みに、海外においても200店以上の出店を実現している。
  • マニュアルに依存せず、どうしたら顧客が喜んでくれるかを従業員が考え、行動することを重視しており、結果として、JCSIの顧客満足度調査(飲食業種)において過去9年間にわたり高い評価を獲得。
  • 出店する地域では、高年齢層の人員の採用を促進することで、雇用にも貢献している。60歳以上の従業員数は2,249名にのぼる(2020年3月現在)。

海外にも展開するセルフうどんチェーン

2000年、セルフサービス方式のうどん店の新業態として「丸亀製麺」を開店。現在、国内に857店舗、海外には11の国と地域に230店舗以上を展開(全業態では、国内1,142店舗、海外624店舗を展開)(2020年12月末現在)。

うどんの本場讃岐での感動体験から業態を構想

うどんの本場である香川県の讃岐地方での風情感ある製麺所のたたずまいや、目の前で調理した「手づくり・できたて」のものを提供するスタイルに感動したことがきっかけ。全店に製麺機を設置し、塩・水・小麦粉からその日の最良のうどん生地をつくり、できたてのうどんを提供する業態を開発。

店内で製麺し、できたてのうどんを提供

多店舗展開する場合、通常、セントラルキッチンで加工したものを店舗に配送するケースが多い。一方、丸亀製麺では、国内の店舗は全て直営で、全ての店舗に製麺機を設置し、店内で製麺し、できたてのうどんを提供している。「麺職人」制度、「天ぷら職人」制度を設け、調理人の育成に注力。バックヤードの仕事はシステムを用いて効率化し、顧客と向き合う時間を作るように努めている。製麺機や麺切り出し機は、機器メーカーと試行錯誤を重ねてオリジナルの機械を開発。

究極の一杯をめざす

2016年、究極の一杯をめざす職人を育てるために「麺職人制度」を創設。麺職人は襟元が紺色のユニフォームが目印であり、星が付与される。5階級あり、二つ星の麺職人は、基準どおりではなく当日の気温や湿度などに合わせて製麺することができる。2020年3月末現在で一つ星234人、二つ星2人の麺職人がいる。二つ星の合格率は1割程度と極めて難しい。ちなみに、三つ星と四つ星はゼロ人、そして五つ星(麺の匠)はただ1人である。「天ぷら職人制度」は、同様に品質向上を目的とし2019年に創設している。

セントラルキッチンを必要としない

現在、国内で47都道府県に857店舗を展開する。海外にも展開。セントラルキッチンを必要としない店内調理という強みを持つ。これにより海外展開のハードルも下がり、中国、インドネシア、台湾などアジア各国にも出店。

新たなチェーンストアモデルを構築

一般的なチェーンストア理論と異なるビジネスモデル(国内全店舗直営、店内調理、職人制度など)で大規模チェーンを展開し、かつ高い顧客満足度を実現。全ての店舗に製麺機を設置し、店内製麺でできたてのうどんの提供を徹底。丸亀製麺はいわば工場付きの店舗であり、うどんを作る光景を顧客に見てもらうことを基本コンセプトとしている。

人間的な創意工夫を重視

「すべては、お客様のよろこびのために」という経営理念のもと、マニュアルを精緻化するよりも、個々の従業員がどうしたら顧客が喜んでくれるか、という人間的な創意工夫を重視する。

職人・技能認定など独自の人材育成

麺職人制度は厳しく(合格率29%)、社員の技能向上につながっている他、「麺の匠」が全国の店舗を回って指導している。天ぷら職人認定者は90名であり、合格率は35%と難易度の高い試験となっている(2020年3月末現在)。
全て店内調理のため、従業員は天ぷらやおにぎりなど各ポジションの仕事を覚えていくことでスキルアップしていく。パートも長年勤める人が多く、正社員への登用も多い。

バックヤードの効率化

従業員が顧客と向き合う時間をつくるため、バックヤードでの業務を効率化。双方向で意見交換ができる社内SNSを導入し、会議やメールでのやり取りを削減。報告業務を軽減するツールも導入している。

雇用創出と地域貢献

高齢者の雇用機会創出という社会課題と、手づくり・できたての商品を提供するために調理に慣れているスタッフが必要という双方の課題を、地域の高齢者を採用することで解決に結びつけている。60歳以上の従業員数は2,249名(2020年3月末現在)。定年退職後も、本人の希望があれば、健康状態や能力を考慮した上で、契約社員、嘱託社員もしくはパートナースタッフとしての再雇用も実施(70歳未満)。

「麺職人」制度を紹介する看板を掲げる

食育への貢献

全ての店内で製麺を行っているため各店に職人が在籍。この強みを活かし、全国の店舗で食育活動として「うどん教室」を開催。今までに延べ35,000人の子どもたちが参加。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社トリドールホールディングス

  • 本社所在地

    東京都

  • 業種

    フードサービス

  • 従業員数

    19,497名

  • 創立年月日

    1990年

  • URL

    https://www.toridoll.com/

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます

top

協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第2回優秀賞

  • 第2回地方創生大臣賞

  • 第2回優秀賞

  • 第3回経済産業大臣賞

  • 第3回地方創生大臣賞

  • 第2回農林水産大臣賞

  • 第2回経済産業大臣賞

  • 第2回優秀賞

  • 第2回地方創生大臣賞

  • 第2回優秀賞

  • 第3回経済産業大臣賞

  • 第3回地方創生大臣賞

  • 第2回農林水産大臣賞

  • 第2回経済産業大臣賞

幹事企業・団体

後援・協力

©サービス産業生産性協議会(SPRING)