優秀賞

車社会のインフラとしての
日本型MOTELチェーンの全国展開

株式会社旅籠屋(東京都)

1店舗あたり20室前後の宿泊特化型ミニホテル。宿泊施設の少ない地方のロードサイドに立地し、安価で快適な宿泊サービスを提供。日本には先例のない業態(米国のMOTEL)であることから事業開始には様々な障壁があったものの、一つ一つ乗り越え、全店直営で日本全国に展開している。各地の地域活性化にも貢献している。

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  • 駅前立地が多い宿泊業にあって、地方や首都圏のロードサイドを中心に立地。僻地や袋小路出店も可能であり、遊休地のオーナーにとって貴重な土地活用策となっている。
  • ハード・ソフトを標準化し、シンプルで効率的かつ、従業員が柔軟に休暇取得できる店舗運営を確立。教育の徹底により接客品質を均質化させ、運営ノウハウの社内共有とスキル向上の好循環を実現している。
  • 付加的なサービスを省く一方で、客室と同数の駐車スペース、25㎡の広々とした客室、無料提供の軽朝食など、車利用客に利便性が高くお仕着せのないサービスが顧客満足を高め、リピーター率は6割を超える。

宿泊特化型ミニホテルをロードサイドに展開

設備を標準化したコンパクトな直営方式による宿泊特化(素泊まり)型のミニホテルを日本全国で80店舗近く展開。ロードサイドへの立地、クイーンサイズのベッド2台を設置した25㎡の客室、客室と同数の駐車場、朝食無料が支持される。

ロードサイド型宿泊施設の可能性に着目

30年近く前に、米国留学経験のある知人から「アメリカには安く気軽に泊まれるMOTELが無数にあり、家族で泊りがけの旅行を楽しむことができた」という話を耳にした現社長が、日本でもロードサイド型の宿泊施設の立地可能性を強く認識。
視察のための渡米を経て、車社会における宿泊インフラと自由な旅行スタイルへのニーズといった社会的意義を確信し、事業構想の検討を重ね起業。1995年に1号店を日光鬼怒川に開業。料金水準だけでなく、必要性の低いサービスを排したシンプルで自由なスタイルが好評。

高い利便性と経済性を有する宿泊特化型施設

安価で快適に、必要最小限の宿泊機能を備えるコストパフォーマンスの高いロードサイド型ホテルという、日本初の業態を開発。食堂・大浴場・娯楽施設・売店などの施設や付加的サービスのない宿泊特化型施設とする。自動車利用客にターゲットを絞る。店舗フォーマットを標準化することで、生産性向上・付加価値向上を実現。

安価ながら高いベネフィットを提供

客室は、全室25㎡、クイーンサイズベッド2台の共通レイアウトである。顧客は当たり外れの心配がない客室を安価で利用可能。
宿泊施設の少ない地方の幹線道路等のロードサイドに客室数と同数の駐車場が確保されているため、駐車場確保の心配が不要。ファミリー等の観光需要やビジネス需要を問わず、自動車利用者から高い支持を獲得。朝食は無料で提供。

客数・客室稼働率・売上の向上

コロナ禍の影響を受ける前までの直近3年間では、利用客数、客室稼働率、売上ともに増加を継続。

リピート率と顧客満足の向上

広告宣伝をほとんど実施していないにも関わらず、リピーターが着実に増加。顧客満足が向上し、持続的に成長。2016年度以降のリピート率は6割を上回る。直近3年間の顧客満足度(5段階評価でのアンケート調査)は4.5点の水準にある。

サスティナブルな運営方針

災害時対応のための非常用発電機(プロパンガス使用)や障碍者対応のための多機能トイレの設置、ペット同伴者の受け入れなど、誰もが安心して利用できる店舗とする。店舗は直営方式であり、ハード・ソフトを全国一律で標準化する。
独自開発のフロント・顧客管理のシステム運用や店舗運営マニュアルにより効率的な店舗オペレーションを確立。

サービスレベルの均質化を実現

直轄店での初期教育および中間研修、長期代行勤務によるOJT、支配人着任前研修、アメリカ視察などによる従業員教育により、従業員のサービスレベルの均質化を実現。また、社内ネットやグループウェア、社内懇話会の開催等によるコミュニケーション活性化により、ノウハウ共有とスキル向上の好循環を実現する。
代行支配人制度を導入するなど、店舗スタッフは柔軟に連続休暇を取得することができる環境を整えている。

業務習熟の仕組みを構築

入社後の業務習熟プロセスも明確化。最初は、中核的施設にて半月程度の現場研修。続けて、通常1年から1年半程度、代行支配人(支配人休暇時の交代要員)として勤務。その後は、他の支配人の異動状況や希望を踏まえ運営する施設を決定。施設運営は、2人体制(支配人と副支配人)。業務は、フロント業務と客室清掃業務。業務の実働時間は、断続的ながら6時間程度。未経験者でも習熟可能。人材育成の仕組みが構築されている。

地方や郊外エリアの遊休地の土地活用に貢献

誰もが気軽に利用できる宿泊施設を全国展開することにより、車社会のインフラ整備に寄与。土地活用においては、郊外に多く存在する遊休地の活用にも貢献する。

朝食サービスの例

積極的に地域周辺をPR

周辺の観光資源などの積極的なPRや滞在人口の増加により地域経済に貢献する。プロパンガス使用の非常用発電機の設置等による災害時のシェルター機能として地域のライフラインの役割も担っている。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社旅籠屋

  • 本社所在地

    東京都

  • 業種

    ホテル・旅館

  • 従業員数

    266名

  • 創立年月日

    1994年

  • URL

    https://ssl.hatagoya.co.jp/

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

©サービス産業生産性協議会(SPRING)