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優秀賞
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顧客中心主義で一歩踏み込む
「ジャパネット」のコールセンター株式会社ジャパネットコミュニケーションズ(福岡県)
通販大手のジャパネットグループが2010年にコールセンター部門を分社化。「いつでもつながる」「応対が良い」「サービスレベルが高い」コールセンターを自前で運営する。1日平均2.2万コール、最多で約35万コールもの入電に対応。徹底的な顧客満足の絶え間ない追求と、働きがいのある就業環境を実現している。
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- 電話応対の品質が圧倒的に高いだけでなく、顧客の自宅を訪問してのスマホの開通・設定や、メーカーよりも迅速な自社修理など、「そこまでやるか」という徹底した顧客中心主義のサービスを提供。
- 顧客からの声で商品の性能・仕様の根本的な改善を行ったり、コールセンターの権限で商品販売停止も可能とするなど、顧客接点であるコールセンターがサービス提供の中核となっている。
- 従業員満足度を高めて定着率や仕事の品質を向上させるとともに、座談会や面談、日々の会話等を通じてサービスに対する課題認識を社内で頻繁に共有し、スピード感を持って常にサービスを磨いている。
事業内容
通信販売会社のコールセンター部門
テレビ及びインターネット通販会社であるジャパネットグループ(ジャパネット)のコールセンター部門。1日平均2.2万コール、年間800万件超の入電がある。入電者は50代~70代が中心で比較的年齢層が高く、ネットよりも電話での注文や問合せが多い。コールセンターのスタッフを「コミュニケーター」と呼ぶ。
サービス提供の背景・経緯
衝動買いだからこそ、高い顧客満足を目指す
ジャパネットが他の小売と違う特徴は、顧客が事前に買うことを決めていて注文するのではなく、なんとなくジャパネットのテレビやカタログを見ていたら欲しくなったという理由で購入するケースが多いことにある。いわゆる衝動買いが多いからこそ、自信を持って顧客にお薦めできるものしか販売しないことを徹底する。商品・サービスの企画からアフターフォローまで自前で行うことで全てに責任を持ち、顧客満足と商品・サービスの質を磨き上げている。
かつてはコールセンター業務の一部を外部に委託していたが、2010年の分社化時に、全て自社雇用に切り替え、スタッフ全員への経営理念の浸透に注力している。
かつてはコールセンター業務の一部を外部に委託していたが、2010年の分社化時に、全て自社雇用に切り替え、スタッフ全員への経営理念の浸透に注力している。
サービスの概要とその革新性
自前主義で徹底的に顧客満足を追求
ジャパネットのコールセンターは、「いつでもつながる」「応対が良い」「サービスレベルが高い」という評価を得ている。繁忙期にはグループ会社全体で電話を取るほか、入電件数の変動吸収のため、サテライト拠点も開設。応対品質を可視化して全コミュニケーターの音声評価を行い、常にサービス改善を続けている。
通販会社の枠を超えたサービスを提供
エアコンの注文時には、顧客の自宅環境のパターンをカタログ誌面に掲載し、それに基づき注文を受け付け、エアコン設置の注文にあたって必要となる通話時間を短縮。
スマホの注文時には、問合せと契約は電話で対応しつつも、通信開始のための諸作業はスマホに不慣れな顧客の自宅に専門スタッフが訪問し、マンツーマンで説明しながら実施する場合もある。
通販会社で初めて自社修理センターを開設する。メーカー修理をほとんど行わず、自前で修理まで行う。コールセンターの枠に捉われない発想で顧客に応対している。
スマホの注文時には、問合せと契約は電話で対応しつつも、通信開始のための諸作業はスマホに不慣れな顧客の自宅に専門スタッフが訪問し、マンツーマンで説明しながら実施する場合もある。
通販会社で初めて自社修理センターを開設する。メーカー修理をほとんど行わず、自前で修理まで行う。コールセンターの枠に捉われない発想で顧客に応対している。
入電情報からマーケティング情報を入手
フリーダイヤルを媒体ごと別々に契約。これにより、居住地、入電のきっかけとなった媒体、購入希望商品を自動的に判断する仕組みを構築。顧客を待たせないだけでなく、より正確なマーケティング情報を入手し、さらなるサービス改善に活用している。
サービスの成果・実績とその優越性
膨大な入電に対応しつつも高い応答品質
1日平均2.2万コール、最多で35万コール、年間総数800万件超の入電でも応答率は96%。15秒以内につながる率も85.6%と高い応答品質を維持。24時間365日いつでもつながるコールセンターの実現を目指す。
自社による修理も実施
自社修理によって、平均19.66日かかるメーカー修理に対して、平均6.78日で修理品を返送する。自社修理率は83.7%に拡大し、その満足度は97.0%に達する。
サービスイノベーションとして優れている点
商品販売の停止権限も持つ
コールセンターは、グループにおける商品販売を停止する権限も持つ。単なる電話受付係としてのコールセンターとは一線を画している。
スピード感を持ってサービスを磨く
社内での頻繁な座談会の開催、スーパーバイザーとコミュニケーターの毎月の面談、社長自身による毎日のフロア内「散歩」などを通じて、スタッフの話を聞き、課題を解決。スピード感を持って、サービスを磨く。
社会の発展への寄与
従業員満足度の向上による定着率の高まり
コミュニケーターの離職率は元々高かったが、社員食堂や託児所の設置、スタッフ同士の交流イベントの実施、「仕事がなくても行きたくなるセンター」を目指すなど、社内の風通しや働きがいを高めることで、定着率も改善する。その結果、経験を積んだコミュニケーターがさらに品質を高め、応答率や応対品質の向上へとつながっている。
エアコン注文のホームページ画面
エアコンの設置予定場所や機能に応じて、機器を絞り込める
組織データ
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事業者名
株式会社ジャパネットコミュニケーションズ
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本社所在地
福岡県
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業種
その他(コールセンター)
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従業員数
2,052名
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創立年月日
2010年
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URL
https://corporate.japanet.co.jp/groups/japanetcommunications/
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