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優秀賞
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日本から日本品質を届ける
「グローバル通販」のありたい姿の実現株式会社再春館製薬所(熊本県)
2011年より海外向け通信販売を開始。香港を皮切りに台湾、タイでの展開に成功。海外展開で課題となる受注方法や問合せ対応、物流の品質管理や迅速性・丁寧さの確保等のサービスを日本品質で提供。日本型の通信販売モデルにこだわりつつ、日本国内に拠点を集約し、グローバルにサービスを展開するモデルを構築している。
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- 海外現地出身のスタッフを日本の熊本本社で「採用・教育」し、同本社で電話対応を行っている。海外のお客様と日本品質での電話コミュニケーションを実現。応対スキルや商品知識等の専門性、同社の経営理念も浸透。
- 商品の新鮮さを保つため、日本の配送・取扱方法の教育を受けたドライバーが温度や包装などの商品管理を徹底。現地在庫は最小限にとどめ、電話注文から2日以内に商品を届けるサプライチェーンを確立している。
- 通信販売事業のグローバル展開においても、熊本の本社で受注し、熊本から発送することで、丁寧さと速さを両立した日本品質にこだわるスキームを構築している。
事業内容
厳選8品目の基礎化粧品を国内外で販売
1932年、熊本県で設立。生薬の効能・活用方法の研究を重ね、1974年、日本初のコラーゲン配合美容クリームの開発に成功。1976年より基礎化粧品「ドモホルンリンクル」の販売を開始。商品点数は、厳選8品目。防腐剤は使用せず、販売チャネルは自社通信販売のみに限定するなど、商品・サービスともにこだわりのある展開とする。基礎化粧品の他、医薬品「痛散湯」、機能性表示食品「歩みのゼリー 根のちから」などを販売。
スタッフを「お客様プリーザー」と呼ぶ
1983年、コールセンターを開設。2008年、コールセンターのスタッフの呼称を「コミュニケーター」から「お客様プリーザー(Pleaser=喜びを与える人)」に改称。大空間が広がる本社(熊本)のコールセンターでは、香港・台湾・タイをはじめとした海外顧客向けのチームが100人以上一緒に働く。
サービス提供の背景・経緯
2011年より香港を皮切りに海外展開を開始
ドモホルンリンクルの販売開始以降、海外からの問合せや注文が増加。現地流通業者からの代理店契約の希望も増加傾向にあった。そこで、海外展開の可能性の検討を開始し、2010年より準備に入る。
“海外だから品質を落とすことはやむをえない”“海外では日本型の通信販売事業モデルの導入は困難”といった妥協や先入観は排除し、どうすれば日本国内と同等の商品やサービスの品質が維持できるか試行錯誤を重ねる。2011年の香港での事業開始を皮切りに、2012年に台湾、2018年にタイでの通信販売(グローバル通販)を開始。
“海外だから品質を落とすことはやむをえない”“海外では日本型の通信販売事業モデルの導入は困難”といった妥協や先入観は排除し、どうすれば日本国内と同等の商品やサービスの品質が維持できるか試行錯誤を重ねる。2011年の香港での事業開始を皮切りに、2012年に台湾、2018年にタイでの通信販売(グローバル通販)を開始。
サービスの概要とその革新性
サプライチェーン全体で日本品質を提供
商品に加え、サービスの品質にも妥協することなく、電話での注文受付から配送に至る全てのサプライチェーンにおいて、日本国内と同様のサービスの品質(日本品質)で提供。
現地国からの電話注文は本社(熊本)のコールセンターで受電し、熊本で製造しているドモホルンリンクルを、熊本から現地国に少量単位で配送。安心感・わかりやすさを重視し、為替変動型ではなく固定価格で提供。
現地国からの電話注文は本社(熊本)のコールセンターで受電し、熊本で製造しているドモホルンリンクルを、熊本から現地国に少量単位で配送。安心感・わかりやすさを重視し、為替変動型ではなく固定価格で提供。
電話での注文は、現地国出身者が母国語で対応
電話注文を受け付けるコールセンターでは、日本で研修を受けた外国人スタッフ(現地国出身者)が母国語で問合せや注文に応え、安心感やホスピタリティを提供。
注文から2日以内にお届け
日本から現地倉庫までの輸送テストを重ね、輸送時に商品が傷つかない梱包方法(商品や緩衝材の入れ方など)や夏・冬を問わず20℃の温度帯を保つ輸送方法を開発。また、現地物流会社の協力のもと、時間指定配達、ドライバーの丁寧な言葉遣い等のきめ細かな物流体制を構築。現地拠点の在庫は最小限とし、その在庫を切らさない仕組みを構築する。
サービスの成果・実績とその優越性
総売上の約1割を海外が占める
グローバル通販の売上は、堅実に増加。単体事業としても黒字化に成功。現在、総売上の約1割を占めるに至る。
通信販売に対する不安を払拭
顔が見えない電話での応対だからこそ、親身になって顧客の気持ちに寄り添うべく、日本品質のコールセンターにて母国語で対応する。「不安を感じながら電話したが対応が早い」「会話がスムーズ」「気兼ねなく相談できる」「アドバイスが的確」等の評価を得ている。日本に電話がつながることを知らない顧客も多く、驚かれる。通信販売に対する不安をぬぐうビジネスモデルを構築している。
サービスイノベーションとして優れている点
現地採用スタッフが熊本で勤務
現地採用の外国人スタッフ(現在100名以上在籍)を本社で人材育成(熊本に赴任)し、本社(熊本)のコールセンターで勤務するというスキームを構築。現地のテレビCMで広告を打ち、現地のフリーダイヤルに着信した注文電話を、日本レベルの応対品質を習得した外国人スタッフが対応する。外国人採用の新たなモデルを構築している。
社会の発展への寄与
本社オフィスの光景
香港・台湾・タイをはじめとした海外顧客向けに100人以上のスタッフが同一フロアで勤務通信販売の新しいグローバルモデルを構築
海外の顧客に対しても、日本の顧客と同じ高鮮度の商品をきめ細かなサービス品質で届けるという「日本品質」を人材教育や輸送時の品質管理も含めて追求する通信販売の新しいグローバルモデルを提示している。日本のものづくりへの期待感を高めるサービスである。
組織データ
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事業者名
株式会社再春館製薬所
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本社所在地
熊本県
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業種
化粧品・医薬品・医薬部外品の製造販売
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従業員数
1,033名
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創立年月日
1932年
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URL
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