国土交通大臣賞

地域の魅力を掘りおこし新たな旅を創造する
「ホスピタリティ・イノベーター」

株式会社星野リゾート(長野県)

宿泊施設の運営に特化し事業を展開。各施設では、現地と顧客を熟知するスタッフが、地域事業者、地域住民と協力し、旅の体験サービスを企画・提供する。宿泊者の顕在化していないニーズと、地域の隠れた観光資源を組み合わせることで、新たなサービスを作り上げている。年間約400件にのぼる独自の旅体験を提供。

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  • ホテルスタッフが「魅力会議」という仕組みを通じて、シーズン毎に新たな旅の体験サービスを企画、提案し続けている。奥入瀬渓流ホテルでは、「氷瀑」という全く新しい地域資源に注目し、冬の観光需要を創出。
  • 開発した体験サービスの積極的発信で年間6,000件のメディア露出につながり、顧客を獲得。また、「上質感」「特別感」の醸成という価値共創を生み出し、高い顧客満足度を実現。
  • コロナ禍に際して、18か月先までを想定して事業計画を組み直し危機を乗り越えようとしている。併せて「マイクロツーリズム」の振興を提言し観光業全体を盛り上げている。

ホテル運営に特化した事業を展開

1914年創業の軽井沢の温泉旅館からスタート。1995年より、宿泊施設の運営受託に特化した事業を展開。国内で37施設、海外で3施設を運営。「日本の観光をヤバくする」をミッションとし、「リゾート運営の達人」を目指す。

地域の持続可能性と組織の成長を同時達成

地域社会とも共有できる価値の創造に向けて、現場発信の体験サービスを作ることで、地域の持続可能性や課題解決に貢献することを目指す。各宿泊施設のコンセプトに基づき、施設のスタッフが主導して顧客(宿泊客)への体験価値を提案する。現場主導の改善活動が促進され、組織の成長も同時に可能としている。

青森・奥入瀬渓流ホテルでの取り組み

現場発信の体験サービスを展開する宿泊施設の一つとして奥入瀬渓流ホテル(青森県)がある。2005年より運営を開始。運営受託当初、奥入瀬地域は最盛期ほどの観光需要には及ばない状態で、知名度の高い紅葉シーズンだけ例外的に需要が高い状況であった。秋以外は訪れる動機となる観光資源がない状況から、秋以外の再生プランをスタッフ自ら企画立案し、実践する。その後も、地域の魅力である奥入瀬渓流を前面に押し出し、1年を通じた観光魅力を創出し、通年の安定運営を目指している。

全国で年間400件にのぼる体験サービスを提供

サービスの本質を“滞在全体の演出”と定義。単に客室・宿泊を売るのではなく、地域の四季折々の魅力をテーマにした、全国で運営する施設全体で年間400件にのぼる体験サービスを提供。

従来はなかった体験サービスを地域と協力し創出

現地を熟知するスタッフが、顕在化していない顧客ニーズと地域の隠れた観光資源を組み合わせて、新たなコンセプトと具体的なプランを開発し、これまで地域になかった旅体験を創出する。例えば、奥入瀬渓流ホテルでは、夏は「苔」に着目して「苔さんぽ」「苔ガールステイ」を、冬には「氷瀑」現象に着目して「氷瀑ライトアップツアー」「氷瀑露天風呂」を提供している。

多様な施設で広く展開

全国で運営する宿泊施設において多彩なプログラムを展開。例えば、星のや軽井沢(長野県)では、直近の冬季に隣の佐久市の13の酒蔵と協力した「SAKEヘルスコンシャス滞在」や、冬の信州の雄大な景色を眺める熱気球体験「絶景バルーンステイ」などのプログラムを提供している。

リピーターが約2割、繁忙期は半数近く

「星のや」ブランドの通年での平均満足度は、+2.5(回答範囲は+3~-3)と高い顧客満足度を維持。
全体ではリピーターが約2割を占める。繁忙期には半数近くになることもある。チェックアウト時に翌年の予約を取って帰る宿泊客もいる。

自由闊達な議論の場「魅力会議」を運営

スタッフは、顧客の滞在に合わせてチェックインから清掃まで一人で担当するマルチタスク制度のもと、フラットな組織で働く。シーズン毎に定期開催される自由闊達な議論の場である「魅力会議」では、年間1,000件に及ぶ新しいアイデアが提案される。そのアイデアを、地域を巻き込んで実際の体験サービスとして提供する。
体験サービスが全国各地の現場で開発・発信されることで、年間6,000件のメディア露出という情報発信とそれを通じた顧客獲得を実現している。

サービス業としての働き方改善

決められたマニュアル業務をこなすだけではない体験サービスの開発や改善活動によって、スタッフはクリエイティブな思考を身に付けられる。また、地域活性化や社会課題の解決に積極的に関わる機会にもなっている。
現場で働くスタッフやこれからサービス業を志す人のやりがい向上と、サービス業に対するイメージの改善に寄与している。

苔を観察するツアー「苔さんぽ」

ルーペを片手に渓流沿いを散策苔のミクロ世界に出逢える

「マイクロツーリズム」を提言

これまで、各地で地域の魅力を活かしたサービスを開発・PRすることで観光需要を創出し、周辺事業者にとっての収益貢献や、全国での地域活性化に寄与し続けてきている。
コロナ禍に際しては、18か月先までを想定して事業計画を組み直し、危機を乗り越えようとしている。現代表は、身近な観光である「マイクロツーリズム」の振興を提言している。

組織データ

  • 事業者名

    株式会社星野リゾート

  • 本社所在地

    長野県

  • 業種

    旅行

  • 従業員数

    2,936名

  • 創立年月日

    1914年

  • URL

    https://www.hoshinoresorts.com/

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