総務大臣賞

2007年創業の岡山県発のベンチャー。音楽クリエイターの活躍をテクノロジーで支援。当初は音楽コンテスト事業が中心であったが、勝ち抜いた数点の楽曲しか注目されなかったため、作品の可能性を最大化するためのサービスを着想。2013年に事業化。地元岡山からの事業成長の期待が高まっている。

2013年のサービス開始時は、販売作品数を増やすことに注力。動画コンテンツ市場の拡大に伴い、登録顧客も増加。2018年には作品数10万点を突破。2022年までに世界最大級の80万点以上となる。当初は楽曲ごとの単品販売であったが、2019年より開始した定額制プランで利用者数が伸長。コロナ禍では、YouTubeやTikTokなどの動画投稿プラットフォームの利用者が増え、顧客数が更に増加。現在は10万人以上の顧客が登録。

音楽クリエイターは自身の楽曲を無料登録。YouTuberなどの個人顧客や映像制作会社などの法人顧客といった「音」を必要とする顧客が、手軽にイメージに合った音源を見つけて使用。クリエイターは販売実績に応じた収入を得る。利用メニューは、月々550円、2,200円、22,000円～（法人）があり、法人と個別の業務提携をするケースもある。

顧客は単品購入およびサブスクリプション方式（月々550円～）で音楽の利用許諾を得られる。追加料金や申請は不要。従来CD ライブラリの音源使用で発生していた権利申請の手間やコストを削減する。音源利用のハードルを格段に下げている。

世界最大級の90万点以上の音源から、楽器や擬音、テンポやイメージなど様々な検索が可能。「きらーん」といった擬音語など、日本語の感覚で検索できるといった日本発のサービスならではの機能も備える。「音楽で検索」機能では、手持ちの音源をアップロードし類似の楽曲の検索も可能である。

音源流通の煩雑な手続きをサービスモデルで解消し、マーケットプレイス式で楽曲のライセンスを売買するプラットフォームの先駆けである。
顧客アカウント10万人、音源数90万点以上、毎月約1万点の新作追加という音源流通市場を形成。2019年から2021年にかけて、音源数約3.5倍（約70万点）、顧客アカウント約2倍（約10万人）、YouTube 動画利用件数約7.5倍（約195万件）になるなど、世界最大級の規模に成長した。
日本語の感覚（擬音語）での検索ができるなど、日本ならではのサービスを設計。また、和楽器やアニメ・ゲーム関連など日本ならではの音源が海外から注目されている。

人気作品のランキングや、地域ごとに活躍するクリエイターの表彰、実績によって報酬割合が向上する仕組み、音源を使用した動画を顧客自身がアップしてクリエイターにフィードバックする場が運営されるなど、クリエイターの活躍とモチベーションを後押しする仕組みを構築し、クリエイターの収益拡大に貢献。アマチュアやセミプロが音楽クリエイターとなることを諦めなくてもよい市場を創出し、クリエイターエコノミーを活性化している。

音楽クリエイターと顧客（事業者）の双方の事業性と活躍の場を拡大するような音源流通市場（ストックミュージックサービス）を創出。今後さらなるクリエイターエコノミー活性化への貢献が期待される。