農林水産大臣賞

当初はオーダーメイドのパンを作ることを目指し、2017年に会社設立。「新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する」ことをミッションに、個人向けサービスの「パンスク」のほか、オフィス向け社内カフェ・福利厚生サービス「パンフォーユーオフィス」や、パンを販売したい事業者とパン屋さんをあらゆる形でつなぐプラットフォーム「パンフォーユーBiz」、全国のパン屋さんで共通で使えるパンギフトプラットフォーム「全国パン共通券」などの事業を展開。地域のパン屋さんと消費者をつなぎ、パンを作る人、売る人、食べる人の三方よしのプラットフォームを構築している。

「パンフォーユーオフィス」をスタートした2018年10月頃から、個人向けの「パンスク」事業を構想し、2020年2月からサービス開始。コロナ禍での巣ごもり需要も重なり、会員登録者数は2022年11月には30,000人を突破。「週末のご褒美」として受け入れられ、現状ではオフィス向けの10倍以上の事業規模に成長している。

全国85店舗（2023年2月末時点）の提携パン屋さんから、2週間・1カ月・2カ月の希望の頻度で8個前後のパンをお届け。トースターやレンジで1カ月間は焼きたての味を再現できる。パン屋さんに訪れた時の幸せを感じられる。

パンフォーユーが独自に開発した「パンを入れる袋」と「冷凍するタイミング」により、冷凍庫で1カ月保存可能。
自宅で冷凍庫からパンを取り出して温め直すだけで焼きたての味を再現できる。パン屋さん側も特別な設備投資を一切行わず、一般的な冷凍庫を利用して日本全国の顧客に自慢のパンを届けられる。

どこのパン屋さんからパンが届くのか、出荷まで顧客にはお知らせしない。旅をするようなドキドキ・ワクワク感を味わうことができる。パンの梱包にも配慮し、送料を「パンの旅費」という呼び方をするなどして、箱を開けた時のワクワク感を高めている。

通常のパン屋さんでは、食べたパンについての感想を購入者から聞く機会は少ないが、「サンクスメッセージ」として毎日のように会員の声がパン屋さん宛てに直接届く仕組みを構築。旅行のついでに会員が過去に届いたパン屋さんを訪問するようなケースもある。一度お届けしたパン屋さんはオンラインショップが利用できるようになり、パンの種類や数量を選んで購入できる（ショップ対応パン屋さんに限る）。

パンスクの会員は2020年2月からサービス開始後、コロナ禍での巣ごもり需要も重なり、会員登録者数はサービス開始1年で5,000人、行動制限が緩和された2年目には15,000人と会員登録者数は右肩上がりで、2022年11月時点で30,000人を突破。

会員の居住地とパン屋さんの所在地の距離を考慮し、また同じパン屋さんが再度振り分けられないよう、届けるパン屋さんを自動で割り当てるシステムを自社で開発。なかなか足を運ぶことができない遠方のパン屋さんから、メッセージカードとともに自慢の美味しいパンが届く。

提携前に必ず試食し、「また食べたいか」「人に勧めたいか」「なかなか出会えないか」を基準とする、望ましいパン屋像の世界観を社内で共有し、その世界観に合うパン屋さんを日本中から厳選して選択し続け、提携ネットワークを拡大する。

パンフォーユー独自の冷凍技術とシステムにより、パン屋さんは店頭との兼ね合いをみて、全国の顧客へパンを届けることが可能。月々の安定した収入の確保に寄与。
さらに、梱包に関わる資材や送付状は全てパンフォーユーが用意。パン屋さん側にとって負担の少ないオペレーションとなっている。
閑散期の売上増や、定休日の増加など、パン屋さんの付加価値向上や働き方改革に加えて、食品ロスを減らすなどSDGsにも貢献している。