受賞サービス
経済産業大臣賞
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人の力とデジタルのベストミックスによる快適な事故解決プロセス
東京海上日動火災保険株式会社(東京都)
デジタル化を通じて事故解決プロセスを円滑化。交通事故などの被害にあった顧客の不安に寄り添い、迅速に事故受付から保険金支払い、アフターフォローまでを一貫して行う。最適化された質問で素早く事故受付ができ、保険金請求もスマホで完結。ドライブレコーダーなどによる確認精度向上の活用を通じて担当者が顧客に寄り添える時間を増やし、顧客満足度を向上。
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- シームレスな事故解決システムを開発。事故連絡サービスでは、直感的なインターフェースを構築。入力の途中で人と話したくなった場合はすぐ電話に切替が可能。入力済データを電話担当者が引き継ぐため、何度も同じことを聞く状況も回避されるようになっており、結果として事故連絡にかかる時間を大幅に短縮。
- 顧客の声をもとに高頻度でアジャイルにシステムを改良。事故に関わる全ての情報を一つの基幹システムに統合することで、ワンストップでサービスが提供できる。
- デジタル技術の強みや効率性と「人の温かみ」を上手く融合させ、顧客の経験価値を最大化している。顧客の声や事例を知識として蓄積し、サービス向上にも活用している。
事業者概要
お客様の「いざ」というときのために
2004年に東京海上火災保険と日動火災海上保険が合併し、発足。前身となる東京海上保険会社は1879年創業。1914年には日本初の自動車保険を開始。「お客様の信頼」をあらゆる事業活動の原点に置くことを経営理念に掲げる。本サービスは、2019年12月よりサービス開始。
サービス誕生の背景・経緯
将来を見据えてサービスを開発
自動運転技術など様々な環境の変化を予測し、2030年の損害サービスの姿を展望。単なるペイヤー(保険金の支払者)からお客様にとってなくてはならないパートナーに変わるという目標を掲げる。その実現の柱が「人とデジタルのベストミックス」。
サービス開発にあたってはデジタル活用が進む米国や欧州の事例を分析。専任チームを作って視察を行い、シリコンバレーでメトロマイル社を発掘。同社は保険金支払いやアプリの利便性などノウハウが豊富であり、協業に至る。米国での提供サービスをそのままではなく、高いサービスレベルを求める日本の顧客のために多くの点をカスタマイズ。
サービス開発にあたってはデジタル活用が進む米国や欧州の事例を分析。専任チームを作って視察を行い、シリコンバレーでメトロマイル社を発掘。同社は保険金支払いやアプリの利便性などノウハウが豊富であり、協業に至る。米国での提供サービスをそのままではなく、高いサービスレベルを求める日本の顧客のために多くの点をカスタマイズ。
サービスの概要と特徴
デジタルミックスによる事故解決プロセスの提供
交通事故や地震・台風などによる被害にあった顧客の不安に寄り添い、迅速に事故受付から保険金支払い、アフターフォローまでを一貫して行う事故解決プロセスのシステムを開発。
事故などの状況を素早く確認するシステム
最適化された質問で素早く事故の登録を行うことができ、その後の保険金請求もスマホで完結。Web上での完結も可能。電話担当者は入力情報やドライブレコーダーから事故状況を把握し、迅速に対応。
顧客との価値共創を意識し、アジャイルにサービスを改良
従来、保険金支払いの正確性を担保するため、紙でのダブルチェックや電話による画一的な業務プロセスが中心であった。本サービスは、顧客起点でサービスを再設計。例えば、顧客の生活時間に合わせて電話ではなく独自のチャットシステム(メッセージボード)でやり取りを行うなど、効果的な連絡手段を活用して柔軟に対応する。
サービス開始から多くの事故で活用
2019年のサービス開始以来、11万件の事故で活用。事故登録などの時間を従来比で合計「5万時間」削減。
顧客満足度向上に寄与
本サービスを利用した顧客はアンケートで「大変満足」が6.3ポイント上昇。2020年「日経優秀製品・サービス賞」最優秀賞、2021年「グッドデザイン賞」受賞など、様々な方面からの評価を得ている。
サービスイノベーションとして優れている点
デジタルと人の温かみを融合
事故発生からアフターフォローまでを一貫した事故解決システムとして提供。特に事故連絡サービスでは、一問一答形式やアイコンでテンポ良く直感的に入力ができるインターフェースを構築。途中で人と話したくなった場合は容易に切り替え可能。入力済データの続きから電話担当者が引き継ぐため、何度も同じことを聞く状況を回避。デジタルと人の温かみを上手く融合させている。ドライブレコーダー情報も活用し、事故連絡にかかる時間も平均15分(電話)から最短1分(Web)に短縮。
顧客の声を活かし、基幹システムによる統合で迅速な改善
全国の損害サービス拠点にDXL(DX 推進リーダー)を配置。リリース前から社外目線を積極的に取り入れる。リリース後も、顧客の声をもとに高頻度でアジャイルにシステムを改良。アプリでの事故登録情報、メッセージボード、ドライブレコーダー映像、電話担当者との電話のやり取り記録など、全ての情報を一つの基幹システムに統合。これによりワンストップでサービスが提供でき、社内の知識共有も進み、迅速な改善活動を可能にしている。
社会の発展への寄与
顧客の経験価値を最大化する視点
様々な情報を基幹システムに集約し、社内でも情報共有することで、ワンストップでサービスを提供。顧客の声や事例を知識として蓄積し、サービス向上に活用。デジタル技術の強みや効率性と「人の温かみ」をミックスすることで、顧客の経験価値を最大化する視点がモデルとなりえる。
事故直後からの流れ。請求完了までスマホで完結できるだけではなくアフターフォローにも注力している
画面下部に表示される「続きは電話で」ボタン。Web入力からシームレスに電話への切り替えが可能
組織データ
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組織名
東京海上日動火災保険株式会社
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創立年月日
1879年
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業種
損害保険
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本社所在地
東京都千代田区
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従業員数
17,008名
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