受賞サービス
優秀賞/審査員特別賞
-
「手ぶら登園」から始める、子育てを楽しむ仕組みづくり
BABY JOB 株式会社(大阪府)
「手ぶら登園」は、保育施設に直接、紙おむつとおしりふきを届ける定額使い放題のサブスクリプションサービスである。子どもの名前を手書きした紙おむつを持参する保護者と、園児ごとにおむつの管理をする保育士双方の負担を軽減。子育てにおける古い常識や慣習にとらわれず、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を目指す。
事例のPDFをダウンロード
- 子育て中の「子どもと向き合わない時間」に着目して、ユニ・チャームとの提携で保育施設に紙おむつを直接配送する供給体制を構築。保護者の負担だけでなく、シンプルなUI で使いやすい在庫管理・発注システムなどで保育士の負担も軽減。
- 多様な対話の場を設けて社員の主体性を引き出し、社員の気づきや現場の声をチャットアプリで直ちに共有するなど、素早いサービス開発・改善につなげている。グループ会社にて、40を超える保育所を運営していたため、改善策はすぐにテスト運用し、各現場にフィットするまで徹底して改善活動を行うことができた。
- 子どもを生み育てる豊かな環境づくりに貢献。女性活躍・少子化という社会課題の解決に資する社会貢献型事業の模範的なモデルである。創発を起こす組織づくりという観点からも気づきを与えてくれる事例。
事業者概要
保育施設の運営からスタート
お母さんたちの雇用機会創出のために2012年に前身となる人材派遣会社を設立。その後、待機児童問題の深刻さを知り、保育施設運営事業を開始。保育施設の運営を通して多大な保護者の負担に気づき、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」の実現を目指し、2018年にBABY JOBを設立。
サービス誕生の背景・経緯
保護者と保育士、双方の負担を減らしたい
保育施設運営を通して、保護者と保育士が抱えるタスクが膨大な量であることに気づく。少しでも負担を軽減させ、子どもと向き合う時間とゆとりを提供しようと「手ぶら登園」を開始。当初は従量課金制を採用するも、「保育士の負担が増す」という声が強く、全く受け入れられなかった。
その後、グループで運営をしていた保育施設での試行錯誤の末、2019年7月に定額制のサブスクリプションサービスの形にたどり着く。オプションとして使い捨てコットカバーや食事用エプロンのサブスクを加えるなど、順次サービスを拡大してきている。
その後、グループで運営をしていた保育施設での試行錯誤の末、2019年7月に定額制のサブスクリプションサービスの形にたどり着く。オプションとして使い捨てコットカバーや食事用エプロンのサブスクを加えるなど、順次サービスを拡大してきている。
サービスの概要と特徴
子育てを楽しむ仕組みをつくる
保育施設に直接メーカー(ユニ・チャーム)から紙おむつを届ける仕組みで保護者と保育士の負担を軽減。プラットフォームを活用した「保育施設向けEC」や保育士向け学習コンテンツなどの付加価値提案で「すべての人が子育てを楽しめる社会インフラの充実」に貢献している。
おむつにかかわる手間を減らす画期的な仕組み
メーカーとの提携で保育施設に紙おむつを直接配送するサプライチェーンを構築。PC操作が苦手な保育士も多いため、在庫管理、発注システムを極力簡素化。アルゴリズムを使った発注予測で保育士が発注数を考える手間も省くなど、現場思いのつくり込みを行っている。他のおむつメーカーとも協働する。
プラットフォームを活用した付加価値提案
保育士には、キャリアアップを支援する学習コンテンツ「手ぶらアカデミー」を一般社団法人NECQA(保育士と保育の質に関する研究会)の協力のもと提供。保護者にはメルマガなどで「保育士が着て欲しい子ども服」などの多様なコンテンツを提供するといった、保護者と保育士の架け橋となる取り組みも行う。
子育ての課題を解決する新たな仕組みの提案
保育施設を探せる保活サービスのプラットフォーム「えんさがそっ♪」を新たに開設し、保護者の保育施設選びの支援を開始。待機児童問題が解消した後を見据え、保育施設の付加価値向上も目指し、「すべての人が子育てを楽しめる仕組みづくり」に取り組む。
導入施設の拡大と保育施設の満足度の高さ
2023年現在、サービス開始後約4年ほどで導入施設は3,000施設を越え、全国47都道府県に進出。352件の利用施設アンケートで、保育士の満足度評価(とても満足・満足)は93%に上る。
サービスイノベーションとして優れている点
現場負担を減らす新たな仕組みの構築
保育施設に紙おむつを直接配送するサプライチェーンの構築により、「手ぶら登園」を提案。それを保護者、保育士双方に受け入れやすくするため、紙おむつに「名前を書き、園に持参し、持ち帰る」という一切の手間を省き、保育施設における紙おむつ利用の常識を変えるプロセスを創出。同時に、保育施設で働く保育士が、園児ごとにおむつを分けて管理する負担を軽減。
社員の着想からハイスピードで改善が進む仕組み
社内専用ポータルサイト「ぴったんこ」などを通して社内に理念を浸透、主体性を高めた社員の気づきはチャットアプリで即時に共有され、改善活動がスタートする。形式的な会議体はほとんどなく、社員主体でスピーディーな改善サイクルが回っていく。
社会の発展への寄与
社会貢献型事業の模範的モデル
女性活躍や少子化の課題を解決し、子どもを生み育てる豊かな環境づくりに寄与するサービスで、社会貢献型事業の模範的なモデル。創発を起こす組織づくりの観点からも気づきを与える事例である。
「手ぶら登園」は保護者と保育士に時間とゆとりを提供する
2022年6月にリリースした「えんさがそっ♪」
園探しから見学申し込みまで保活をサポートする
園探しから見学申し込みまで保活をサポートする
組織データ
-
組織名
BABY JOB株式会社
-
創立年月日
2018年
-
業種
子育てサポート
-
本社所在地
大阪府大阪市
-
従業員数
52名
※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます