国土交通大臣賞

要介助の方、そのご家族、働く人も「自分らしく」を叶えるバリアフリー旅館

株式会社マザーズリヴ サポートイン南知多(愛知県)

介護福祉施設運営の知見を活かした、障がいや持病があっても安心して泊まれる福祉特化型宿泊サービス。廃業旅館を改装し、館内全てをバリアフリー化。手すり・階段を備えた檜の湯や電動リフト式の浴槽もある。介護福祉士・介護士による入浴・食事・排せつなどの介助サービスを受けることも可能。要介助者と家族全員が一緒に旅を楽しむことができる。

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  • 福祉特化型旅館という革新的な価値提案を本業の介護ノウハウを駆使して実現。障がい者・高齢者・要介助者に特化するために、本業の介護ノウハウをハード・ソフトで具現化し、価値転用した稀有な事例。
  • 顧客満足向上のための事前ヒアリングを徹底。会食時や施設利用時に配慮すべき点を本人や家族に細やかに確認するなど、当日の顧客満足を最大化するために顧客に寄り添うホスピタリティを発揮。
  • 「健康と福祉の平等」「働きがい」「住み続けられるまちづくり」などSDGsに寄与。2022年8月には三重県津市の施設運営も新たに開始し、全国に福祉型滞在施設サービスというコンセプトが広まることを期待。

介護福祉事業の経験を活用して事業展開

お年寄りも障がいを抱える人も、普通の暮らしをしてほしいという思いから、名古屋で認知症グループホームを開設。サポートイン南知多は、グループ会社である株式会社マザーズリヴが、ふだんの暮らしとは違う旅行という非日常の体験の場を提供する事業として開業。この経験を活かし、2022年8月には三重県津市に新たな施設も開業した。

「誰もが安心して楽しめる旅館」を

2002年に認知症グループホームを設立し創業した当時から、利用者と職員で年に1回旅行に行くことを楽しみにしていたが、旅先ではお風呂やトイレなどで困ることが多かった。また、認知症の高齢者を見る旅先の人々、迷惑そうに対応する宿泊先の従業員の冷ややかな態度が心に刺さった。「誰もが安心して心から旅を楽しめる旅館が必要とされているのではないか。自分たちで理想の場所を作りたい」と思うようになり、10年以上の構想・検討を経て開業に踏み切る。当初のターゲットは自社のグループホームの利用者のような高齢者であったが、オープン後、食事形態の幅広い対応とバリアフリー設備の充実から障がい者(児)家族の需要が大きく伸びる。今後、全国展開も視野に入れている。

障がいや持病があっても安心して泊まれる福祉特化型旅館

認知症施設運営16年の知見を活かし、廃業旅館をフルリノベーションした福祉特化型旅館(和室6・洋室2)。介護資格者が常駐。就労支援の一環として、スタッフ比率の半分以上にあたる6名の障がい者も勤務。グループ会社で運営する介護福祉施設や障がい者就労継続支援事業所とも連携する。

介護福祉事業のノウハウを活用したバリアフリー設備

本業の介護福祉事業のノウハウを活用し、館内全てをバリアフリー化。各所にスロープ・手すり・エレベーター・ユニバーサルトイレを設置。車いすの乗り入れに対応するため宴会場と客室には強化畳を採用。手すり・階段を備えた檜の湯や電動リフト式の浴槽もある。脱衣所から洗い場まで段差無しで入浴を楽しめる。

サービス提供開始からすぐに利用者を獲得

宿泊客の6割を障がい者、3割を高齢者が占める。2019年は約3,200人、2020年は約1,200人が宿泊。コロナ禍の2020年度には、愛知県内特別支援学校の修学旅行を6校受け入れる。

本業のノウハウを活用した福祉特化型旅館

障がい者・高齢者・要介助者に特化するために、本業の介護ノウハウをハード・ソフトで具現化した稀有な事例。福祉施設や障がい者就労継続支援事業所と人材・設備・ノウハウを共有し顧客に対応する。

入念なヒアリングと徹底した個別対応

予約時に各種病状や食事形態など細かく確認、打ち合わせを行う。咀嚼・嚥下機能に障がいがあり、外食が難しく、通常であればレトルト食の持参が必要なゲストにも家族・友人との会食を楽しめるよう、料理を刻み食やミキサー食にして提供する。必要であれば入浴・食事・排せつの介助サービスを提供することもでき、家族や同行者の負担を減らすことができる。

顧客満足向上のための事前ヒアリングの徹底

会食時や施設利用時に配慮すべき点を本人や家族に細やかに確認するなど、当日の顧客満足を最大化するために顧客に寄り沿うホスピタリティを発揮。介護施設の経験を参考に作成したヒアリングシートを用いて、スキルを身につけたスタッフがヒアリングを行う。

衰退した観光地の活性化モデルとしての期待

南知多での経験を買われ、三重県津市の福祉型滞在施設をDBO方式*の温泉宿泊事業として受注し、2022年8月にオープン。利用者の減少が激しい榊原温泉で老朽化した温浴施設全体の再興に向けて、福祉型滞在施設というコンセプトを活かして運営を開始。
今後も日本各地の衰退した観光地の活性化に、南知多で実現したコンセプトが活用されていくことが期待される。
サポートイン南知多の外観
一緒に宿泊する方が全員同じメニューを食べられるように、咀嚼・嚥下機能に応じた刻み食やミキサー食を提供(写真はミキサー食)
* DBO方式: 公共が資金調達を負担し、設計・建設、運営を民間に委託する方式

組織データ

  • 組織名

    株式会社マザーズリヴ

  • 創立年月日

    2011年

  • 業種

    旅館

  • 本社所在地

    愛知県知多郡南知多町(サポートイン南知多)

  • 従業員数

    30名

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協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

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