JETRO理事長賞

2015年6月設立。越境EC支援サービスを提供する。Bto(B)toCサービスであり、ジグザグ社は(B)に位置する（Bはショップ、Cは海外からのサイト閲覧者）。ショップ向けの「WorldShopping BIZ」（売り手の海外販売支援）と、海外からのサイト閲覧者（購入者）向けの「WorldShopping」（海外からの購買支援）、これら2つのサービスで構成される。

日本のECサイト訪問者に占める海外の割合は2～8％。中小企業のショップも同様。海外の内訳は、中国・台湾などのアジアに加えて、出荷実績は145以上の国と地域に及ぶ。海外からのサイト閲覧者が購入をあきらめ、日本のショップが販売機会を逸失している原因として、❶言語（かな入力ができない）、❷決済（海外のクレジットカードが使えない）、❸物流（海外配送に対応していない）、の3つの問題がある。「WorldShopping BIZ」は、自社ECサイトにタグを１行追加することにより、これらを解決する。

日本のEC事業者（ショップ）が、自社ECサイト内にJavaScriptタグを１行追加するだけで、自社ECサイトを大きく改変することなく、海外言語で表示される画面を自動表示し、海外への販売を容易とするサービス。海外からのサイト閲覧者（「ウェブインバウンド®」と呼ぶ）に対し、サイト閲覧時の言語対応に始まり、注文受付、海外配送、カスタマーサポートに至る全てに対応する。

海外の購入者が注文した商品は、ショップからジグザグ社が購入し、日本国内の物流センターに配送される。同センターにて、商品内容を確認（検品）・再包装し、海外に配送（輸出）する仕組み。海外からの購入者は、❶商品価格（日本の10％消費税を含む）に加えて、❷日本国内での配送料（ショップから国内の物流センターまでの配送料）、❸海外への国際配送料、❹手数料（❶❷の10％）を負担する。

導入ショップ数は、順調に増加。2022年7月には、2,000ショップを突破。

海外からの問い合わせは主要言語（英語・中国語繁体字・中国語簡体字・韓国語・日本語）でサポートが可能で、海外在住メンバーや海外現地パートナーと連携を行うことでカスタマーサポートの365日対応を実現。
ユーザーからの問い合わせは、配送可否や状況に関するものが多く、商品自体についての問い合わせは少ない。配送状況の確認にあたっては、自社でシステムを構築している。

海外への販売（輸出）不可の商品の対応として、❶個々のショップ別に、国別の販売不可の品目設定ができるシステムとする、❷注文受付時のオペレーターによる確認、❸海外配送前の検品時に実物を確認、の3段階によるチェックを行っている。

自社サイトの海外言語対応、輸出管理、顧客対応、個人情報保護対応、海外各国での法制度対応（EUでの税制改正への対応など）などの業務は外部化できる領域であり、中小企業に限らず、大手の事業者による当サービスの利用が進んでいる。ショップの規模にかかわりなく、海外への販売が容易となり、ショップ側の負担はサービス利用料のみである。

海外からの注文客に対する言語、決済、配送などの対応を外部化できるサービスであり、ショップは国内顧客と同じ対応をするだけで済む。海外への販売を強化したいと考える事業者にとって役立ち、日本のEC事業のグローバル化に貢献できるサービスである。