内閣総理大臣賞

訪日観光ナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」

株式会社ナビタイムジャパン(東京都)

訪日観光客向けに、観光情報から旅行プラン作成・予約、経路検索、旅行体験共有まで全行程で役立つ機能を1つにまとめたアプリを提供。13言語に対応。月間アクティブユーザー数は200万を突破。日本全国あらゆる公共交通機関(電車、飛行機、バス、フェリー等)の時刻表に対応し、きめ細かな情報を提供。そこから得られたデータを分析し、地域の観光資源を発掘するなど地域活性化に寄与する。

事例のPDFをダウンロード
  • 旅行に必要な機能と情報をワンストップで提供する優れた価値提案:あらゆる交通手段を網羅した経路検索機能に加え、新幹線を含む列車やイベント、宿泊等の予約をワンストップで提供。圧倒的な情報量で、多様な関心やニーズを持つ観光客にユニークな旅行体験を提案している。
  • 地域や観光事業者と連携協力し、新たな観光資源の発掘に貢献:アプリの利用履歴等から取得される訪日観光客の動態情報を自治体・観光地域づくり法人(DMO)・観光事業者向けに提供することで、新たな観光資源の発掘を促し、地域の魅力向上につなげている。
  • 新たな体験価値を創造する共創型プラットフォーム:多様なニーズを持つ訪日観光客と日本の優れたサービスをマッチングすることで、訪日観光客の体験価値の向上に貢献するとともに、日本のインバウンド市場の活性化に寄与している。

独自開発の経路探索エンジンが中核

移動を支える経路案内(ナビゲーション)サービスを提供。「経路検索エンジンの技術で世界の産業に奉仕する」が経営理念。
時刻表や道路情報などを整備し、徒歩、電車、バス、車など、あらゆる手段を組み合わせて移動ルートを提示する。
一般向けに「トータルナビ」として提供し、通勤・通学、日常生活、旅行等で利用される。最近では、シェアサイクルを含むルートにも対応。日本人向けと訪日観光客向けの両者を提供。日本の観光産業の発展に貢献。カーナビアプリや大型車専用カーナビ等も提供。法人向けには、移動データの分析や車両動態管理、店舗事業者向けソリューションなど、業務効率化を支援するBtoBソリューション、観光事業者や自治体向けのソリューションも展開する。

社員個人を起点としたサービス開発のエコシステム

個々人の日々の気づきを起点にサービスを多数開発。何が本質であるかを基軸にサービスを考える。自身でサービスを作り込む楽しさと世の中の役に立っていることを実感する様子が観察される。

電車の混雑情報の提供例。乗車する電車の混み具合をリアルタイムで確認できる

鉄道での車両別混雑データ解析モデルを自社単独で構築し、サービスに結びつける

「空いた電車で快適に通勤したい」という想いからサービス(電車の混雑情報提供)を開発した実績もある。列車別・駅別・車両別に混雑データを自社でセットし、シミュレーション。空いている電車と車両を割り出す。予測より得られた交通混雑の緩和効果を鉄道会社に提示し、サービス化する。現在は、鉄道会社より得たデータをシステムに反映。例えば、2本遅らせれば座っていける、2両前の車両に乗れば混んでいないなどの情報が得られる。子ども連れや体の不自由な人も安心して乗れる、空いた列車を探せる。鉄道会社は、乗客分散、列車遅延抑制の効果が得られる。データが得られれば混雑は緩和できることを実証するとともに、サービスを通じた世の中の変革を実践している。

想いを共有し外部とも協業

自社単独で解決できない場合は、外部企業と協業。想いを共有できれば、協業可能であることを多くのサービス開発を通じて実証。電車の混雑情報提供は、その例である。

社員発案を起点に1か月で開発

「日陰マップ」を2022年7月にリリース。直後は連日、テレビ局の取材が続く。記録的猛暑が続く中、移動による熱中症対策として考案。建物の高さと日毎の時間別太陽高度から日陰部分を都度算出し、リアルタイムで地図上に描画。技術開発力の高さがうかがえる。利用は無料。直射日光を避けての夏の散歩、冬は暖かい道を散歩など、一年を通してその時々に快適なルートを選べる。企画から約1か月で実装、スピード感あふれる開発である。

3か月の新人研修で最新技術を習得

技術の進歩は著しく、開発環境は毎年変わる。新人研修に注力し、各部署が使用する現場の最新技術を限られた時間の中で集中的に習得する態勢が整えられている。最新技術を介した社内コミュニケーションと人的つながりの創出にも効果がある。

10年以上かけて観光データを蓄積

創業以来、トータルナビゲーションシステムの提供に必要な鉄道・バス等の運行データを蓄積し続けてきている。全国500社以上で運行されているバスの運行情報は、デジタル化が進んでおらず、現在でも相当の時間を投入し、時刻表データを随時更新している。例えば、バスは正月に特別ダイヤが組まれるが、そのデータも自社主導で更新する。
全国の観光情報を10年以上かけて蓄積する。現在では、全国900万か所のスポット情報、4万件の観光地を独自データとして蓄積・更新する。観光地を紹介する記事情報は、経路案内付きのプランとするなど工夫を凝らす。掲載スポットまでのルート検索もできるため、送客につながる。
これらの蓄積したデータによる正確なルート案内をインバウンド向けに提供すべく、2013年に訪日観光客向けアプリを開発。2017年にJNTO日本政府観光局の公式アプリに採用される。2019年より「Japan Travel by NAVITIME」の名称でサービスを展開。

データ活用型のビジネスモデルを構築

短期滞在である訪日観光客には月額課金モデルの適用が難しいことから、アプリを無償提供する代わりに、アプリから取得した利用動態データ(GPSデータ、国籍、訪日回数、訪日目的等の属性データ)を活用するビジネスモデルを構築。取得したデータを活用し、観光資源の発掘に活用するなど地域の魅力付けに寄与。

月間アクティブユーザー数の推移。ユーザーの内訳は、Webサイトが150万、アプリが50万(2025年4月現在)

アプリ1つで快適な旅行を体験

旅行プランの作成・予約、経路検索、スポット検索(フリーWi-Fi、手荷物預かり所等)、記事・プラン閲覧、旅程投稿などの旅行の全行程で役立つ機能を1つにまとめたアプリを提供する。このアプリ1つで訪日観光を快適に楽しめる状態を目指す。13言語に対応。ドアtoドアの経路検索、徒歩ナビゲーション、カーナビゲーション、ホテル・アクティビティの予約などの機能も備える。アプリのダウンロードは無料(一部、有料あり)。月間アクティブユーザー数は200万を突破(2025年4月現在)。ユーザーは、台湾、香港、韓国、中国で3割、東南アジア/インドで2割、欧米豪で4割の構成。

地下鉄でのチケット購入方法、ICカードの購入方法などをハウツー記事でわかりやすく解説する

スムーズな移動をサポート

経路検索・乗換案内機能を充実させ、JAPAN RAIL PASS等の周遊パスや観光列車を優先させたルート案内、英語音声によるナビゲーションなどを備える。チケットは、新幹線(直販)に加えて、海外のKlook(香港)、Uber(米国)、Viator(米国)等の旅行案内サイトと連携した予約や購入が可能。

「旅程投稿」利用イメージ

自身の旅行体験を世界各地からの旅行者と共有

実際の体験情報データを活用しモデルコースとして再現し、他のユーザーに共有。旅行の計画段階に始まり、旅行中、旅行後、再訪検討への循環へと至る様々な体験や情報をユーザー全体で共有する仕組みを具現化し、旅行をトータルでサポートする。
2023年8月には、旅行プラン共有機能をリリース。個々の旅行体験にとどまらず、プラン自体も共有可能。日帰りから2週間の長期滞在まで様々な旅程が投稿されている。月に200件の投稿、3万人が閲覧する月もある。

利用動向データを地域へ還元

より良い訪日観光に向けて、GPSデータ、属性データ、アプリの利用履歴、投稿から取得される動態情報などを閲覧できるWebサービス「インバウンドプロファイラー」を、自治体、DMO、観光事業者向けに提供。市区町村単位でも閲覧可能。現状把握、受入環境整備や観光プロモーションに活用されている。
訪日観光客の利用動向データを分析し、その動向を自治体等に提供する

新倉山浅間公園からの富士山と桜の景色

利用ログから地域の隠れた魅力を発掘

新倉山浅間公園(山梨県富士吉田市)からの富士山と桜の絶景は、地域の隠れた魅力が発掘された例である。滞在データが集中する場所を特定し、分析・調査をして見つかった知られざる観光地。現在では、訪日観光客の人気スポットとなっている。

国籍別のGPSデータの活用例

同じ観光地や周遊ルートなどでも、国籍により行く先や滞在場所が異なるデータが得られる場合もある。データ活用による現状把握、アプリを活用した滞留者に応じた観光プロモーションが可能となる。ターゲットに合わせた言語でのコンテンツ掲載や、位置情報を考慮した情報発信ができる。また、全国市区町村別の訪日観光客の増加率ランキングを報道発表すると、メディアに報道され、日本人観光客が増加するというサイクルも生じている。地方都市での客数増の実績もある。データ駆動型の観光プロモーションの有効性を示している。

訪日観光客による桜の名所の紹介例(弘前公園、青森県弘前市)。『手前にある2本の夫婦の木から桜のハートが見えるんですね』と好評を博す

訪日観光客と日本人観光客の関心は全く違う

訪日観光客が注目するコンテンツは、国内一般のそれとは全く異なる。特に地方に昔からあり地元の人にとっては当たり前のものへの関心が高い。地元のコンテンツを活用したプロモーションビデオを制作し、地元駅のサイネージで紹介していく方法も、旅行者への訴求だけでなく地元の方々への理解促進に有効である。
訪日観光客の国籍別に上位30の人気スポットを閲覧できるランキング機能を2024年7月に追加。例えば、米国からの訪日観光客が大阪のどんな飲食店に興味を持っているか等の情報を見ることができる。文化の違いや日本人の旅行動向との違いが発見できる。

経路検索エンジンをチューニング。京都市内の経路検索時に、地下鉄を含む鉄道利用のルートを優先的に表示する

オーバーツーリズム対策機能として鉄道利用に誘導

京都市内でのバス混雑緩和に向けて、鉄道を積極的に利用する「おすすめルート」を2025年4月より提供。訪日観光客の鉄道利用への誘導に効果がある。

マナー啓発を呼びかける機能

京都・祇園では、マナー啓発を呼びかけるプッシュ通知を配信した。GPSを活用し、特定の混雑エリアや注意が必要なスポットに訪日客が到着した際、多言語でマナー啓発メッセージを配信するなど、適切なタイミングでルールを周知し、地域との共生を促す。

日本語、韓国語、中国語繁体字・簡体字、英語で利用可能

世界へのサービス提供

世界各地へのナビゲーションサービスの展開を目指す。その一環として、訪台観光客向けのアプリを2025年8月にリリース。
自社で整備した観光データと、時刻表データを組み合わせ、台湾旅行の計画から現地での移動までをサポートする。台湾全土のバス会社をすべてカバーしたバス位置情報も提供。
今後、トータルナビゲーションサービスのさらなる世界への拡がりを描く。

組織データ

  • 組織名

    株式会社ナビタイムジャパン

  • 創立年月日

    2000年

  • 業種

    ソフトウエア、情報処理、インターネット関連、旅行・観光、業務支援サービス

  • 本社所在地

    東京都 港区

  • 従業員数

    約450名

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます

top

協賛

受賞企業・団体(会社名五十音順)

  • 第4回総務大臣賞
    unerry

  • 第2回優秀賞
    オオクシ

  • 第4回地方創生大臣賞
    琴平バス

  • 第3回経済産業大臣賞
    徳武産業

  • 第3回地方創生大臣賞
    ハクブン

  • 第2回農林水産大臣賞
    ムジャキフーズ

  • 第2回経済産業大臣賞
    ヤクルト本社

幹事企業・団体

  • 公文教育研究会

  • JTB

  • 帝国ホテル

  • 野村総合研究所

  • ルネサンス

  • ロイヤル
    ホールディングス

後援・協力

©サービス産業生産性協議会(SPRING)