第3回 受賞サービス

内閣総理大臣賞

サービス名
土木建設サービス全体のデジタル業態革新
「スマートコンストラクション」
事業者名
株式会社小松製作所(東京都)
業種
製造(建設・鉱山機械)
従業員数
68,879人(非正規含、発表時点)
サービスの概要
「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」実現のため、建設現場の測量、施工、検査などのプロセス全体をデジタルでつないで実際の現場とデジタルの現場を同期させながら(デジタルツイン)、施工の最適化を実現するソリューション。全デジタルデータはプラットフォームで一元管理。国内では累計10,000超の現場へ導入実績があり、2020年度より海外展開を開始。施工のデジタルトランスフォーメーションを目指す。
特に評価されたポイント
  • ①建設機械の販売だけでなく、3D地形データ、ドローン、ICT建機等を活用し、測量から完成検査までの全工程をサービスの対象とし、圧倒的な安全性・生産性向上を実現する。世界に類を見ない日本発のサービスを提供し、土木建設工事の業態を根本から革新しつつある。
  • ②先端的建機・サービスの提供だけに留まることなく、従来型建機を廉価にICT建機化するレトロフィット・キットを販売し、業界全体のDXの底上げを図り、労働力不足に対応するためのサービスを提供している。
  • ③2020年よりグローバル展開も開始。日本発の建設現場のプラットフォームとしての普及が期待される。
受賞者の声
株式会社小松製作所 代表取締役会長 大橋 徹二(2021年2月現在)

第3回日本サービス大賞の内閣総理大臣賞という栄誉ある賞をいただき大変光栄に存じます。今回の受賞を励みとして、これからも「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」の実現を目指してまいります。ウィズコロナ時代でデジタルに前向きになった今こそ、お客様の現場に立ち、お客様の目線でDXをさらに進化させ、ポストコロナ時代においては、建設現場の課題も社会の課題も高度に解決され、競争力ある建設現場に変革を遂げる「Society 5.0」実現のために、コマツはさらにスピードを上げ、走り続けてまいります。
スマートコンストラクションは、建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを、ICTで有機的につなぐことで測量から検査まで現場をすべて「見える化」し、安全で生産性の高いスマートな「未来の現場」を創造していくソリューションです。 スマートコンストラクション導入のメリットとしては「より安全な施工を実現」「労働力不足解消」「生産性向上」「i-Constructionに準拠」が挙げられます。
まず、より安全な施工の実現については、建設現場には多くの危険が潜んでいます。スマートコンストラクションでは、設計面に沿って自動制御されるICT建機で施工するため、作業員の丁張の設置作業や刃先位置確認作業が必要なくなり、より安全に施工を進めることができます。
労働力については、施工に関わるさまざまな確認作業が減り、1日当たりの施工量の増加が見込まれます。それに伴い、工期が短縮し、必要となる人数の減少につながります。また、ICT建機の自動制御により、経験の浅いオペレータでも精度の高い施工が可能となり、オペレータ不足も解消します。
生産性向上に関しては、現場で必要となる作業員やオペレータの人数、建設機械の稼働日数が減少します。少ない人数で効率的に現場が進むことで、新たな工事の受注にもつながり、売上拡大にも寄与します。
2016年4月より、国土交通省は測量から検査に至るまですべての建設生産プロセスでICTなどを活用する「i-Construction」を推進しています。スマートコンストラクションは「i-Construction」に準拠したソリューションです。
実は、スマートコンストラクションを本格的にスタートさせたのは、国交省の「i-Construction」より前の2015年です。私が社長に就任した2013年の春に、ICT建設機械を開発しました。ICTを活用した情報化施工が進む欧米向けがメーンと考えていて、実際にドイツの建設機械に関する展示会では大変高い評価をいただきました。
しかし、日本ではICT土木はほとんど普及が進んでいなかったため、ICT建機の使い方を一緒に考えていくやり方にしました。建設現場のお客様の困りごとをお聞きして回り、一緒になって、その課題を解決するための手段を考える中で、スマートコンストラクションができあがりました。今では約1万2000以上の建設現場で活用していただいています。
2020年4月からは、デジタルトランスフォーメーション(DX)・スマートコンストラクションをスタートさせています。新IoTデバイスと新アプリケーションにより、施工全工程をデジタルでつなぐ「横のデジタル化」を行い、実際の現場とデジタルの現場(デジタルツイン)を同期させながら施工の最適化を行います。将来的には「1つの現場」のデジタル化に留まらず、複数の現場間の施工をリアルタイムに遠隔でつなぎ、最適にコントロールする「奥のデジタル化」の実現を目指します。
ただ、日本の公共工事は分散発注が主流で、民間工事や欧米の工事と比べると、ICT土木のメリットを十分に享受できません。もっと、多くの業者がICT土木を活用できるオープンな環境づくりが課題になります。
コマツは、NTTドコモやSAPジャパン、オプティムと共同で、建設業務における生産プロセスに関与する、土・機械・材料などのあらゆる「コト」データをつなぐ新しいプラットフォームである「LANDLOG(ランドログ)」を立ち上げました。
各企業は生産性向上を目的とした測量、施工、検査などの建設生産プロセスのICT化を進めていますが、建設生産プロセスにはさまざまな専門を有する複数の工事事業者が携わるため、各種データは事業者毎に管理されており、建設生産プロセス全体を一元管理し最適化する上で有機的に活用されていない現状があります。
また、生産性だけではなく、現場の安全性を向上させるには、建設生産プロセス全体のデータの収集と一元管理するプラットフォームが有効であると考えたためです。
新プラットフォーム「ランドログ」に建設生産プロセス全体のあらゆる「コト」データを集め、そのデータを適切な権限管理のもとに多くのプロバイダーがソリューションアプリケーションを提供し、建設現場を支える多くのユーザーにそれを利用いただくことで、安全で生産性の高い未来の現場の実現を加速させていきます。

※掲載写真は本賞に関係のない使用目的での2次利用を固く禁じます

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